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戦国魔法奇譚  作者: 結城謙三
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岩村城終戦

土砂降りの雨に打たれながら、両手を妖狐に向け 治癒魔法を掛け続ける おりん

《あたしは、いいから大嶽丸の所にお行き!!》

「お玉様。。。叔父上は、間に合いませんでした。。。独りぼっちになってしまいました。。。」

《こっちにおいで、おりん。。。》

全身でおりんを優しく包み込む 妖狐


自分の身体を鋼の矢と化し、ベヒーモスの喉元へと両腕を突き立てたルイは、黒い息吹を受け、その反動までも利用して、鬼化した右腕の刃でベヒーモスの喉を切り裂きながら

吹き飛んでいた 喉から血飛沫を上げながら落下していくベヒーモスを横目に見る

「これでSランク昇進だな。。。」満足した笑みを浮かべながら 

受け身も取れずに、街道の並木に激突するかに見えた。。。

その時、円状の結界が浮かび上がり、ルイの身体を受け止める

「ルイ、頑張りましたね。。。ここで休んでいて下さい」

ルイの頭を抱き寄せ、治癒·回復魔法を掛ける 千切れかけた左腕に治癒の護符を貼り

半球状の結界障壁を張る そっと横たえ これまでに経験したことの無いほどの憤りに

高鳴る胸を抑えながら立ち上がると、岩倉城の麓で身体を丸めている お玉様におりん

そこから右に視線を巡らせ2人に迫る、赤い竜を視界に捉える

羽衣に風魔法の突風をはらませ、滑るように走る


黒いバハムートが、死なせてはならないと、母竜·ベヒーモスに向けて飛ぶ


目の前の妖狐に、これ以上戦える力が残っていないと判断した 赤いバハムートは

確実に止めを刺そうと、傷ついた四肢を引きずり、ジリジリと距離を詰める

この妖狐は、葬らねばならない。。。 我等にとって、あまりにも危険すぎる。。。

残った魔力を練る、細く鋭い熱線で両断してやれば、ここでの戦いは終わる!

あとは、あそこの城に籠もっている連中を皆殺しにして喰らおう

魔力と体力を回復させたら あの火の山に戻ろう。。。


赤いバハムートの周囲に、いくつもの結界陣が、まるで頭上からばら撒かれたかの様に

浮かび、バハムートを包囲する

羽虫でも払うように、その1つに爪を突き立ててみる

爪が触れた瞬間、弾性があるのか? グンッっと沈み込み、また元の位置に戻る

嫌な予感に後ろを振り返ると、目の前の結界陣と同じ物が、一定間隔で延々と続き

その結界陣を足場にして、猛烈な速度で迫りくる存在

結界陣を1つ蹴るごとに、速度を増していく 緋色の物体が長い残像となり目前に迫る

“ガキッ!”身を守るために、顔前に出した尾に黒い刃が食い込む

すぐさま、後方にある結界陣を足場にして、背中に切りかかってくる “ズバッ!”

何十本ものたてがみの毛が空中を舞う

赤いバハムートの周囲に浮かぶ結界陣を足場にして、縦横無尽に飛び回る 緋色の物体

結界陣を蹴るたびに、赤いバハムートの身体のあちらこちらから血飛沫が上がる

なんとか逃れようと、身体を捻じり、尾を振るうが 触れることさえ出来ずに傷を増やしていく

妖狐を葬る為に、体内で練っていた魔力を全身から解放し燃やし尽くしてやる!

この至近距離で飛び回っている 鬱陶しい緋色の羽虫を滅する為に!!

“ぼっっ!!!!”赤いバハムートを中心に大気が震え 赤い波動が爆散する

数枚の結界陣を盾にして、飛び退き 妖狐を守るように着地する エヴァ

右手に黒い刀身の童子切安綱を持ち、着ている羽衣が風を受けはためき

長い黒髪を逆立てながら、突き出した左手から巨大な風刃を放つ


やはり あの女か。。。ネボアが警鐘を鳴らす

迷う事なく、大地を蹴り飛翔すると、足先を風刃が掠める 

黒いバハムートも母竜·ベヒーモスを黒い瘴気で包み込み 北の空へ向け飛び立っている

“ぐぅおおおおおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉっっ!!!!!!!”

雄叫びを残し、黒いバハムートを追い 北の空へと消えて行く


ブックマーク&星で評価などして頂けると嬉しいですm(_ _)m

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