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戦国魔法奇譚  作者: 結城謙三
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岩村城決戦

ブックマークして下さった 皆さんありがとうございますm(_ _)m

天女様と挨拶を交わし、くどいほどに感謝の言葉を述べ

やや落ち着きつつある城内を見渡し、脱兎のごとく天守へと駆け上る


「わしは、夢でも見ておるのか!?」

岩村城主、秋山虎繁が天守から、北の方角を瞬きもせず 喰い入るように見つめる

秋山虎繁が目にしているもの。。。

昨日までは、美しい町並みの城下が眼下に広がっていたが、今では、わずかな家屋を残し

あそこに見えている、3体の竜により業火に包まれてしまっていたのだが

それも先ほどより降り出した豪雨で黒い瓦礫の野原と化している

その光景だけでも、夢かと見紛うほどであるが、まるでこの城を守るかの様に背を向け

3体の竜に対峙している 神話より抜け出したかのような鬼神

両手には、人の丈ほどもある大太刀を持ち 黒く焼け焦げた衣服の間から

隆々とした筋骨が伺える 

そして後ろ姿からでも、額から天に向かい伸びた2本の角がそそり立つのを覗える

息を呑むほどの、可視出来そうな闘気が、その背中から伝わる

そして、その鬼神に並ぶように姿勢を低くして構える 4本足の獣

複数の尾をたなびかせ、縦横無尽に空を駆け回り、3体の竜を翻弄している

伝説の妖狐·九尾の狐だと思われる

もっとも驚かされたのが、九尾の狐の背に男が乗っていることだ

動き回る妖狐から、振り落とされる事も無く、2本の足で立ち 

すれ違いざまに、黒い刀身の太刀を振るう

「おつや見ろ!これが夢で無かったら、なんだというのだ?」

「殿! これは、まさしく天が天女様を鬼神を神獣を遣わされたのでしょう!

そして、あの背に立つ男こそ、噂に聞く龍神殺しのルイではないでしょうか!?」

「お〜〜そう言えば、そのような者が武田に助力されていると申していたな!」

「岩村城は救われたのです!」


これが、実体を持つということか! これ迄の憑依などとは違う、圧倒的な存在感!

並列した思考を手に入れた事により、元々の兄弟達の本能、思考に溶け込んでいる事が

感じられ、それぞれ何が出来るのか 何が得意なのか 生を受けてから、今までの事も

2体の竜の指先の血の流れまでも感じる事ができる

この身体で、生き物の息の根を止めた時の快感とは、どれほどの物だろうか?

この鬱陶しい鬼と獣を殺したら、奴らの後ろの城に逃げ込んでいる 

数百の命をなぶる事にしよう 逃げ惑う人間共を、この尾で全身の骨を粉砕し

この爪で串刺しにし、生きたまま食いちぎり 押し寄せる快感に身を委ねよう

さぁ 殺戮の時間だ!!


母竜·ベヒーモスは、自分を導いていた ネボアの存在が、この空間から感じられなくなっていた事に戸惑った しかし2体のバハムートが目の前に現れた瞬間に全てを理解した

と同時に、この戦いの勝利をも確信した

ネボアの思考や経験、魔力に属性までもが兄弟それぞれに溶け込んでいる

この2体に足りなかった知能と戦いの経験が、さらに魔力の上限までが上がり

赤く変色した兄には、自分を超える火炎属性が、黒く変色した弟には闇属性が加わり

自分をも軽く凌ぐ生物へと進化した事に歓喜した

この世界を、我が血族のみが生きる世界 そんな未来を夢想する ベヒーモス


《ルイ!あんたの黒い太刀を飛ばす術を、あたしが合図をしたら、思いっきり飛ばしておくれ いいね!》

「ああ 解ったよ お玉様!」

大嶽丸が数百本もの槍を浮遊させ、3体の竜の注意を惹きつけている その隙きに

“トンッ”と空間を蹴り、感知される事を阻害する術を掛け 3体の上空に陣取ると

8本の尾を広げる それを見た大嶽丸が引き絞っていた弓を射るように一斉に放たれる

数百本もの凍りの槍 唸りを上げながら大気を切り裂く

上空では、竜巻が3体の竜を呑み込もうと吹き荒れる

《ルイ!今だよ!!》

“幻影散棘”数十本の黒い太刀が竜巻に乗り、さらなる加速と雷を纏い 3体に襲いかかる


岩村城の各所では、いつの間にか、この戦いを見守っていた観衆から盛大な歓声が上がる




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