表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
戦国魔法奇譚  作者: 結城謙三
192/487

再戦 大嶽丸

「お玉様。。。強すぎるんじゃないか?」

ベヒーモスと対峙し、横目で妖狐の戦いを見ていた

城下町の北側、焼け野原となり、白い煙が燻りあがる

地面に着地したルイ

「お前を、この世界に連れてきたのは、どうやら俺達らしい。。。

勝手だとは思うが、俺達が責任を持って、お前を葬るよ」

両手両足を鬼化させ、縮地術で一息にベヒーモスの喉元まで迫る

それを予期していたのか、右脚を横に払いルイが出現する地点を鋭い爪が走る

鬼化した左肩で、その爪を受け、衝撃に逆らわずに右へと飛ぶ 

「そうだよな、このパターンは、サランドル·ダンジョンで見せすぎたよな 鬼化していなければ、やばかったぞ」

巨体とは、思えない速度で間合いを詰めると、前脚を地面にめり込ませた勢いのままに

反転すると、長く重い尻尾が瓦礫を蹴散らしながら、唸りを上げルイの右側面に迫る

土壁を瞬時に形成し、それと同時に縮地術で後方へと飛ぶ

土壁が粉々に砕け散り、ルイの鼻先を尾の先が掠める

「強くなっているんじゃないか!? この世界の魔素の恩恵は俺達だけじゃないって事か。。。」

殺生石を取り出し、風魔法を纏わせ貫通力を高め、親指で弾くっ!

“ビシッ! ビシッ! ビシッ!”尻尾を素早く戻し、指弾を防ぐと火球を吐くベヒーモス

地中に半分身体を沈めたルイの頭上を火球が通過する チリチリッと頭髪が焼ける

土魔法で、そのまま地中に潜りベヒーモスの腹の下まで進むと、ベヒーモスのいた場所に

童子切安綱を突き出す! 手応えは。。。無い。。。

嫌な予感に、さらに地中深くへと潜り 山城から離れるように北へと潜行する

その地中が、異常なまでの高温となり、地表に近い部分がマグマと化していく

「こ。。。これは、まずいって!!」

全身を鬼化し、防御力を固め一気に地表へと飛び出る “ごおおおぉぉぉぉぉぉっっっー”

眼前まで迫っている豪炎球の直撃に、手足を丸めダメージの軽減を図る

爆炎と爆風に身を焼かれ、飛ばされながら 自分の位置をベヒーモスに正確に把握されていた事に気づく ルイ

あの魔力と瘴気の塊 霧の魔獣がベヒーモスを誘導していたのだ

奴なら、地上も地中も関係なく ルイの魔力を追うことが出来る。。。

2度、3度と地表に叩きつけられながら ゴロゴロと転がり大木の根本に後頭部を

したたかに打ちつけ 手放しそうになる意識を、なんとか繋ぎ止める

「土壁!」大木を背に、防御を固めようと球状の土壁を形成する


息をつく暇も与えないと、容赦なく降り注ぐ火球の雨 じわりじわりと、距離を詰めてくるベヒーモス

時間にして、1秒にも満たぬ時間 口中で溜めを作り、高濃度の魔力を練る 

巨大な火球でなく、細く鋭い貫通力を重視した 球で無く、線 細く 細く 鋭く

土壁を貫き、中に籠もる獲物を仕留める為に


ルイの土壁の前方に、数枚の符が舞う ルイにとっては、見知らぬ妖力の込められた符

ベヒーモスのすぼめられた口から、火と言うよりも 青く細い線、光線が放たれると

舞っていた符が、大嶽丸の依代が次々と実体を持つ 

前方の依代の盾を貫き、腹を抉る 2体目の盾を貫き、腹を抉る 3体目で光線を止め

“がっはっはっはっはっはっはっは!!!” 上空より聞こえてくる高笑い


「見たか!火竜!!俺様の防御力を高めた依代の力を!!!」

「いやっ 2体もやられているぞ。。。」

「お前がルイか! 依代は、まだまだ沢山あるから安心しろ!! 俺様が来たからには

もう大丈夫じゃ!! そこで大人しく見ておれ!!!」

「あんたが、大嶽丸か。。。聞いていた通りの鬼神のようだな」



巫女の衣装に羽衣を纏った おりんが岩村城内を駆ける

避難してきた住民でごった返す中を、住民を誘導している 若い従者を捕まえ

怪我人の集められている場所を聞き出す

「この上の、二の丸の中庭に集められています あのもしや貴女が天女様ですか?」

「はい 治療のお手伝いをしたいと思います」

そう言うと、再び駆け出す おりん


「噂に聞いていた、天女様が来てくださった。。。殿にお伝えしなくては」



ブックマーク&星で評価などして頂けると嬉しいですm(_ _)m

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ