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戦国魔法奇譚  作者: 結城謙三
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ルイ大空を駆ける

「城へ!! 城へ避難するのじゃ!!!」

手綱を握りながら、すれ違う民に大声で叫ぶ

『この惨状を、なんとしてもお館様に報せなくては!』

大手門へと続く坂を駆け上がり 避難してくる民をすべて受け入れるように伝え

馬から飛び降りると、本丸天守へと駆け上がる

「弓じゃ!ありったけの弓と矢を用意せい!!」

「お前様、いったい何が起こっておるのじゃ!?」

「おつや、お前は、御坊丸を連れ、供回りと共に裏手の山を越えて逃げろ」

「敵は?敵は一体誰なのじゃ!?」

「火竜だ!しかも3体が、町のはずれからじわりじわりと、民をなぶり殺しながら

ここへ迫って来ておる、今ならまだ間に合う 逃げるのじゃ!!」



時は、少し遡り 御嶽山の火口から、明確な殺意を持ったネボア達が飛び立った頃

「あたしの嫌な予感が外れた試しはないね 火竜共が動き出したようだ

ちょっと出掛けて来るよ おりんあんたはどうする?」

「もちろん御一緒します」

「じゃあ悪いけどルイを起こして、ここに連れてきてくれるかい あたしは、奴らの行き先を突き止めてみるよ」


ルイの居室の戸を音も無く開き、通力を遮断し、そっとルイの寝ている布団に潜り込む

「あ·な·た お仕事の時間ですよ 起きてくださいな」

ルイが目を開くと、鼻と鼻が付きそうな距離におりんの顔があり

飛び上がって起き上がるルイ

「お玉様が、起こして来いと。。。」

「普通に起こせないのか!!俺には、お雪ちゃんという彼女がいるんだ!!」

「あらっ?おかしいですね。。。お雪ちゃん好きな殿方は居ないと言っていましたが」

「えっ!?」 朝から色々と不憫なルイである。。。


「ルイやっと起きたかい火竜が動いたよ! 御嶽山から50km南に飛んでいる。。。

どうする?」

「もちろん行くさ その前に、京に居る皆に鳩だけ飛ばしておく」

「急ぎな あたしの予想では、奴らの行き先は、岩村城じゃないかね?500年以上も

続く山城だよ あの付近では、一番城下町には人間も沢山住んでいるからね」

「ここから80kmか。。。」

脳内地図と照らし合わせる ルイ

「あたしが飛べば、1時間も掛からない距離だよ 早く用意しな!」

「わかった!」

中庭へと走り出て、石山本願寺より戻ったばかりの隼の足に文を括りつける

「戻ったばかりなのに悪いな、エヴァの所まで届けてくれ」

言葉を理解しているのか“クウゥ〜”と鳴くと、一気に大空を駆け上がっていく 隼

「次に戻ってきたら、名前を付けてやろう。。。」


6本の尾をたなびかせた、妖狐の背に乗り、鳴海城を飛び立つルイとおりん

《奴ら、間もなく岩村城の上空だよ おりんすまないが、通力を少し貰えるかい?》

「はい お玉様、それと叔父上にも報せておきました、後で知れると怒られますので」

《大嶽丸かい。。。来るだろうね〜 いや。。。もう飛んでいるようだね。。。》

魔力感知の精度を上げ、大嶽丸を感知する

妖狐の背の上で座禅を組み、気を練ることに集中する ルイ


《もうすぐ見えてくるよ! 覚悟はいいかい!?》

視覚を強化して前方を見る、いく筋もの黒煙が空を覆い尽くさんと立ち昇っている

《しっかりと捕まっておいで!!》

さらに速度を上げる妖狐

「おりんちゃん すまないが住民の避難と出来るなら治療を頼む」

「はい 任せて下さい ルイさん気を付けてくださいね!」

「ああ ここで終わらせる!!」

両手を鬼化させ、さらに薄い被膜のように広げていくと翼のような形状となる

「じゃあ 俺は先に行くよ、南の端の山城で落ち合おう」

そう言うと、妖狐の背を蹴り大空を滑空して行く ルイ

《死ぬんじゃないよ!!》



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