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戦国魔法奇譚  作者: 結城謙三
189/491

岩村城

またやってしまいました(´;ω;`)

更新したつもりが、出来ていない。。。

2話投稿します

織田信長の5男·御坊丸を名目上の城主とし、実権を信長の叔母であるおつやの方が取り仕切っていた 

日の本でも指折りの山城、岩村城

6段構えの石垣を備え、幾度もの戦果をくぐり抜けて来たとは思えぬ

城郭と、そして整然と落ち着きのある城下町

今年の初めに、おつやの方と武田家臣·秋山虎繁が婚姻した事により

秋山虎繁が城主となり、御坊丸を養子として迎える事となった

秋山虎繁は、美しい山々に囲まれ、肥沃な大地と、上手い水に恵まれた

この土地を気に入っていた 

守るにも攻めるにも適した、この岩村城も 

善良な民の集まった城下町の人々も

その民から信頼を寄せられている、実質的な城主であったおつやの方も

自分には、過ぎたものであると日々感謝していた

更には、我がお館様·武田信玄が、征夷大将軍に任命されるという報せが届いた時には

妻となったばかりのおつやの方と2人で、もう戦の無い世となり、親子3人が安泰と生きていけると、喜びあったものである

秋山虎繁は、これまでの自分の半生を振り返り 今が人生で最も幸せな時であると

誰にはばかることなく、声高に明言することが出来た。。。昨日までは


早朝に家老·大嶋長利が居室に駆け込んでくる

「殿! 一大事にございまする!見たこともない巨大な3体もの竜が城下を襲っております」

普段は温厚な大嶋長利が血相を変えてまくし立てる

「何を申しておる! 落ち着かぬか!」

『まさか、山県殿や皆が言っていた火竜とやらが、我が城下に現れたというのか⁉』

「おつやを起こして、本丸天守まで来るように申し付けよ わしは、先に行っておる」

話しながら、寝間着を脱ぎ捨てる 秋山虎繁


息を切らせながら、天守への階段を登り切ると

そこには、家老の座光寺貞房が北の城下を凝視していた

「定房、いったい何が起こっているのだ?」

「殿、あれをご覧ください」

一歩体を引いて、窓から城下を見るようにと促す

城下の北端、ここから1,5kmほどだろうか

幾筋もの煙が上がっているのが見える

「あれが、竜の仕業だと申すのか。。。」

「はい 詰め所からの報せですと、ご覧頂いている

北の方角の他に東西にも1体づつが住民を虐殺しつつ、ここへ向かっているようです」

「3体もか。。。わしがこの目で見てくる、兵を集めておけ」

「殿!! その役目でしたらそれがしが」

「大丈夫じゃ、危なかったらすぐに逃げてくる

おつやの方が来たら、ここで待つように伝えよ」



岩村城の上空で岩村城下を、俯瞰するネボア

全長3kmにも満たない城下町の3方に母竜と兄弟竜を配し、人間どもに逃げられないよう外郭に沿って

火を付けさせた、粘着質の魔素が燃え上がる炎は、容易に消火出来る事もなく燃え続け 生物が近づける温度でもない

そこからは、じわりじわりと家屋を破壊し、住民どもをなぶり殺し、町の南側の斜面に立つ石垣に囲まれた一際大きな建造物に向かい、歩みを進めていく3体

家族を殺された者の嗚咽 生きたまま食われる者の悲鳴 助けを求める者の絶叫 そんな阿鼻叫喚がネボアの耳に次々と飛び込んでくる

言いしれぬ快感に身を震わせる これが、自分がこの世界に生まれ出た理由であると、自分の存在意義であると、初めて実感する 出来る事ならば、実体を得てあの虐殺の輪に加わりたいと切望する ネボア



城に避難するようにと大声で叫びながら

城下町を北端に向かい、愛馬で駆ける秋山虎繁

「殿! これ以上は、危険で御座います 城へお戻り下さい」

「うむ 敵をひと目見たら戻るぞ その方らは、手分けして民を城内まで避難させるのじゃ! よいな!!」

その場から数歩も進むことなく、火竜の頭が見えてくる 民家の屋根を紙のように貫き、長い尻尾で人間ごと家であった瓦礫を吹き飛ばす

物見櫓よりも大きく、その上に火炎までを吹くという

絶望しそうになる心に鞭を打ち

馬首を翻す 秋山虎繁



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