結婚報告
あっという間に羽交い締めにされ、初対面の女性の前で愚息を晒すという
醜態から、数分後。。。3人は食堂に来ていた
「ルイよ。。。気にするでないよ、聞くところによると、アランのが立派過ぎるらしい」
「そうです ルイ殿のも可愛くていいと思います!」
満面の笑顔で慰める おりん
「お玉様は、いつの間に人型に変幻出来るようになったんだよ?。。。て言うか、この娘は誰なんだ?」
「あらっ?お風呂の中で自己紹介したはずなのですが。。。?」
「聞いてない!それどころじゃない!!」未だ拗ねている ルイ
「この娘は、昔にこの国で大嶽丸という鬼神を封じた鈴鹿御前という天女と人間の娘だよ
今は、鈴鹿山で改心した大嶽丸と共に、この国の安寧を見守っている 天女さ」
「そのように大層な者では、ありませんが 人同士の争いであれば介入する事は、有りませんが。。。本来ならこの国には居ないはずの人外により、この国の民が被害を受けているようなので、数百年ぶりにこの世に顕現したわけです」
「それって。。。原因は、俺達だよな。。。」
「あんた達じゃないよ、あの火竜共だよ! そう言えば、聞いたかい?
さっき話した大嶽丸が、火竜を打ちに行ってね 結果は痛み分けだが、天女が火竜の尻尾を切り落としたんだよ」
「ああ 無茶をしたらしいな、御嶽山の付近の村を襲っているのも聞いた。。。
奴らは、この俺が必ず討つ!!」
「なっ どことなく大嶽丸に似ているだろ?」
「本当ですね。。。危なっかしい匂いがします」
クンックンッと鼻を鳴らす おりん
「お前らの方が、よっぽど危なっかしいからな!! 男が風呂に入っているのに2人で全裸で入って来るとかおかしいだろ!!」
おもわず大声で叫んだようで、食堂中の好機の目に晒される事になる 3人
下鴨神社 葵生殿
「お館様、ただいま戻りました」
エヴァと本多忠勝が揃って、武田信玄に帰京の挨拶をする
「天女殿、長旅ご苦労であった 越後の事は、聞いておる 本来であれば、ゆっくりと休んで貰いたいところじゃが 火竜共の動きが活発になっているようでな 早急に手を打たねばならぬ」
「実は、天女様 御嶽山周辺の集落で数十人もの老人が、定期的に失踪するという報せが入りまして 先日には集落、丸ごと。。。80名の行方が解らなくなっています」
真田幸隆が補足して説明をする
「予想しなければならなかった事ですね。。。今は、どのような対応を?」
「はい 御嶽山の周辺の集落には、避難を呼び掛けていますが 田畑を離れられない時期ゆえ、遅々として避難が進んでいないのが現状です」
「わかりました、御嶽山に動きがあった時に、すぐ動けるように、まずは拠点を移したいと思います 大垣城は、いかがでしょうか?」
「あそこでしたら、京と御嶽山の丁度中間になりますし、鳴海城からも近いですな
今は、前田利家殿の預かりとなっておりますが、快く助力してくれるでしょう」
「日程、人選などアラン達と詰めますが、明日、明後日にも移動したいと思います
あっ! それから。。。」
もじもじと言い淀む エヴァが縋るように忠勝を見る
「あっ あ。。。あのお館様! このような時にあれなのですが。。。この本多忠勝!
けっけっけっけ。。。ごほんっ! 結婚いたします!!」
顔を真っ赤にして、今にも倒れそうな 本多忠勝
「ほ〜 それはめでたいのう! このような時だからこそ、明るい報せは皆の心を和ませるというもの 火竜の件が済んだら、大々的に婚礼の義を摂り行おう
しかしまったく気付かなんだのう。。。で? お相手は、どこの娘だ??」
信玄の横で、ニヤニヤと笑う 真田幸隆
「はっ!? お相手? あっ!!こちらに居られます 天女様にございます!!!」
“バタンッ!!!”戸障子が外れ 倒れ込んでくる 徳本先生
呆気にとられた皆の注目を集めながら、ゆっくりと立ち上がり、血の気の引いた面持ちで
踵を返し、ゆっくりと歩き去る 久々に登場の永田徳本であった
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