お玉とおりん
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ネボアは、すぐにでも鳴海城を襲いたいという気持ちをぐっと抑える
あの赤い波動を持つ男の能力を、ある程度は理解していたし、2匹の兄弟竜の体躯は
親である母竜を凌いでいるが、言ってみれば未だ巣立ちの準備をしている段階に過ぎない
そこで飛行する事を覚えさせ、自分で狩りを行い腹を満たす事を覚えさせ
生物を蹂躙し、その時に放たれる、嘆き、苦しみ、哀しみ、絶望といった負の感情が
どれほど自分達に歓喜を与えてくれるのかを味合わせる
そして最も大事な事は、ネボアの指示をどの程度遂行できるのか?という疑問を
人間達が城下町と呼んでいる、大型の集落を鳴海城に見立て襲わせてみる
もちろん一瞬で焼き尽くしたりはしない じわりじわりと恐怖と苦痛を与え、生物が死に絶えたあとで、焼き尽くすとしよう
そう想像するだけで、言い知れぬ喜びに身を震わせる ネボアであった
《おりん!ちゃんと掴まっているかい? 降下するよ》
「はい 大丈夫です」
騒ぎにならないよう、鳴海城から少し離れた丘に着地する 妖狐とおりん
「早いですね〜 とても気持ちが良かったです」
《あんたに通力を貰ったおかげだよ》
「私の通力も、だいぶ回復していますので、またいつでも言ってください」
《あんたと、もっと早くに知り合いたかったよ。。。おそらく、またお願いするかも知れないね。。。》先に立って歩きだす 妖狐
「あのお玉様、ルイ殿というのは、どういった殿方なのですか?」
《そうさね。。。大嶽丸の若い時に似ているね、向こう見ずで自分勝手な男だよ》
「ああっ! お玉様は、そういう殿方の世話を焼くのがお好きなのですね!!」
《やめておくれ!! 腐れ縁ってやつさ!!》
美福門院の姿に変幻し、鳴海城の北曲輪から食堂へと入る お玉とおりん
天女から譲り受けた千早を纏うおりんと、同じく巫女の衣装を一式譲り受けた2人に
昼時の食堂に居る全員の視線が遠慮がちに注がれる
そこへ、午前の授業を終えた真田昌幸が、昼食を摂るために現れる
いつもと違った食堂の雰囲気に、あたりを見渡し、その原因が2人の巫女である事に
気づき、2人のすぐ横の席に着席をする
「あの失礼ですが お二人は、この城下の方では御座いませんね?」
「はい 天女様に縁のある者です」おりんが真田昌幸に答える
「ああ!やはりそうですか、召し物が私が誂えた物とよく似ているものですから、そうではないかと思っていました」
「はい 天女様より、お譲りして頂いた物です」
「残念ながら、天女様は留守にされています」
申し訳なさそうに告げる
「はい 存じております 今日は、ルイ殿にお会いしたく、まかり越しました」
「ルイですか。。。この時間は、いつも午前中の修練を終えて、風呂に入っていますな」
「あの。。。どなたかに案内を頼む事は出来ますでしょうか?」
「ええ 良いですよ、ちょっとお待ち下さい」
近くの席で、食事を終えた様子の従者に天女御殿の露天風呂に2人を案内するよう頼む
「すまないね 真田昌幸殿 また後で」
初めて口を開く お玉
「えっ!? なぜ私の名前を!?」
首を傾げる 真田昌幸に礼を言い、従者と共に鳴海城内へと入る
「さて ちょっと脅かしてやるかね おりん あんたは、ここで待ってな」
「そんな お玉様、私もルイ殿の驚いた顔が見たいです!」
「見たいって。。。裸で入っていくんだよ? 私は、いつも裸のようなもんだからね
なんとも思わないが あんたは、裸を見られても平気なのかい??」
「なにか問題でも??」
不思議そうに首を傾げる おりん
「いや 良いなら良いけど。。。神通力を抑えるんだよ 気が付かれるからね」
「はい すでに抑えています」
悪い笑顔で見つめ合う お玉とおりん
着ている物を、さっさと脱ぎ捨て 露天風呂の戸に手を掛ける お玉
それから数秒後
「うおおおおぉぉぉぉぉっ!!!!」ルイの絶叫が、鳴海城内に響き渡る
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