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戦国魔法奇譚  作者: 結城謙三
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初めての外界

鈴鹿山 鈴鹿城

「大嶽丸 あんたの妖力もだいぶ回復したようだね?」

「ああ 半分くらいは、戻っているな ここに居ると回復が早いんだ」

「そのようだね、じゃあ あたしは、そろそろ行くよ どうにも嫌な胸騒ぎがして落ち着かなくてね。。。」

「お玉様!!もう何処かに帰られるのですか!?」

おりんがすがりつく様に、手を握る

「もう少し居るつもりだったんだがね〜、ルイって小僧の面倒を見てやらないとならないのさ」

おりんの手を優しく包み込む お玉

「あの。。。御一緒させて頂いても、宜しいでしょうか?」  

もじもじと上目遣いにお玉を見る おりん

「おりん、あんたここを離れてもいいのかい?」

「ここに留まっていなくては、ならないという事は無いのですが。。。叔父上が過保護すぎるといいますか。。。」

「おりん!ここに居れば俺も、この城もお前を守ってくれるんだ 外は何が起こるか解らんからな!」

「なるほど、過保護が過ぎるようだね 大嶽丸がうんと言うなら連れて行ってやるよ」

「本当ですかお玉様!? 叔父上!おりんは、もう子供では有りません 外の世界を見聞したいのです お玉様も一緒ですし、どうかお許しください」

「おりん、もしお前に何かあったら お前の母親である鈴鹿御前に合わす顔が無いんだ

ここで俺と一緒に、今までの様にこの国の安寧を祈願していよう」

大きな体を丸め、おりんを諭す 大嶽丸

「ここで祈願していても、今起きている脅威は取り除かれません 叔父上も身を持って理解されていますでしょう? おりんにも何か出来る事がないのか見てみたいのです」

これまでに見せたことの無い強情さで食い下がる おりん

「大嶽丸 あんたここで行かせないと、おりんに嫌われるよ」

「き。。。嫌われる。。。?」雷撃を受けた様な衝撃に一瞬硬直する 大嶽丸 

おりんの背中を肘で突つく お玉

「はい 嫌いになるかもしれません!!」

さらに特大の衝撃を受け崩れ落ちる 大嶽丸

「いいと思う。。。姉さんも居るしな。。。」

蚊の泣くような、か細い声で答える 

「叔父上!大好きです!!」

大嶽丸の首に手を回し抱きつく おりん

「姉さん くれぐれも。。。くれぐれも、おりんの事を頼みます 俺は妖力が戻り次第

駆け付けます」顔をくしゃくしゃにして懇願する 大嶽丸

「ああ 任せておきな」

「お玉様が、それほど気にかけておられるルイ殿に早く会ってみたいです! 用意をしてきますね!!」



御嶽山 火口付近

待機させていた40人の洗脳を解く、一瞬啞然とし辺りを見渡す老若男女

御嶽山の火口の縁に見たこともない巨大な生物3体に“グルルルルルッグルルルルルッ”

喉を鳴らして見つめられている事に気づき、腰を抜かす者、わけも解らずに叫ぶ者

助けを乞う者、脇目も振らずに逃げ出す者

母竜ベヒーモスの耳をつんざくような、一際高い叫びを合図に蹂躙が始まる

2匹のバハムートが翼をはためかせ初めて外界の空へと浮き上がる

四方に逃げ出した男達を追い、斜面を滑空する

一撃で仕留めるのでは無く、後ろ足の爪を背中に突き立て、転倒したことを確認すると

また次の獲物へと飛翔していく 

火口付近で身を寄せ震えている、老人や子供達は、ベヒーモスに睨まれ

立ち上がることすらできずに、斜面で繰り広げられている惨劇を悲鳴を上げながら

見つめ ここに居ては、命は無いと子供達の背を押し 逃げるようにと促す

泣きながら拒絶していた子供達も斜面で男達が食い荒らされている様を見て

一目散に斜面を駆け下りていく それを見たネボアが2匹のバハムートに念話を飛ばす

《新たな獲物だ!狩れ!!》それを受け取った兄弟竜は、すぐさま反応し

それぞれの斜面を駆ける子供達に2匹が同時に横薙に火炎を放つ

動く者の居なくなった御嶽山の火口 3匹の竜の咀嚼音だけが響く


《さあ 狩りの時間だ!》



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