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戦国魔法奇譚  作者: 結城謙三
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惨劇2

洗脳を解いた40人を火口へと落とし、残りの40人を予備の食料として火口の周囲で待機させておく 実験の結果はというと、概ね予想通りの結果となった

以前であれば、火口に落下していく衝撃で洗脳が解けたものだが

頭部が陥没するほどの衝撃でも、洗脳が解けることなく動き続けるという結果は、ネボアにとって満足のいくものであった

いったい何人までを同時に洗脳し操る事が出来るのか? 不死の軍団を作れるのでは?

そんな思いがネボアの脳裏を掠める


一週間ぶりに火口の内壁に沿って、ゆっくりと降りていくネボア

息のあった数人が、生きながらに身体のあちらこちらを抉られ、断末魔の悲鳴が火口内に木霊する その声が3匹の竜には、最高の調味料となり

ネボアには、身を震わすほどの歓喜を与える


母竜ベヒーモスを見る 槍に貫かれた傷は、ほとんどが塞がり

雷撃よって黒く焼け焦げていた皮膚も、本来の赤黒さを取り戻していた

しかし主要な武器である、切断された尾の先は、再生されておらず 痛々しい切断面を晒している 忌々しきは、天女と呼ばれる女と要塞に居た男 同じような赤い波動の人間

《他にも2人居るぞ!》

んっ!? ネボアの頭に直接、入り込んでくる声

《お前の母竜の記憶を覗いているのだ あの赤き波動を持つ4人はお前の母竜と同じ世界で生まれ、共にこちらの世界に来たようだ。。。念話で話しているのだ、お前も頭の中で我に話しかけてみよ》

言われたように、ベヒーモスに向けて頭の中で話しかけてみる ネボア

《貴方は、何者なのだ?》

《我は、何者なのだろうな。。。この世界の黒魔術という術で生み出された思念体なのだが、怨霊といわれている存在だ この世界のすべての生物を憎悪し根絶やしにする事が我の存在意義だ》

《察するに俺を産み出してくれた存在という事だな、目的まで同じということか。。。》

《そういうことになるな我が息子よ 憎しみの赴くままに蹂躙するが良いぞ この母竜ベヒーモスも、そこに居る2匹の兄弟竜バハムートも、お前が導くのだ。。。よいな?》

《兄弟竜は、バハムートというのか。。。念話は通じるのだろうか?》

《我も語りかけておるが、会話は、まだ無理のようだ しかし呼び掛けには反応するから、いつも餌を持ってくるお前の言う事なら聞くかもしれんな》

2匹の兄弟竜を見ると、彼らが、がむしゃらに餌を貪っていたので気づかなかったが

自分同様、この1週間ほどで急激な進化を遂げたのだろうか? 2回りほども大きくなり

体高では、母竜ベヒーモスよりも、明らかに大きくなっており 表皮が赤黒く変色し

岩を砕いて貼り付けたようなゴツゴツとした質感に変化しており 凶悪さを増している

試しに念話で語りかけてみる

《兄弟、餌ならまだまだ上に待機させてある 好きなだけ食べてくれ》

““グルルルルルッ グルルルルルッ”“貪っていた口を止め 2匹が同時に唸り声を上げる

意思の疎通は出来ているのだろうか? 母竜ベヒーモスの傷がもう少し癒えたなら

あの要塞に居る、赤い波動の男に目にものを見せてやろう



下鴨神社 葵生殿

「お館様、先ほど岩村城の秋山虎繁の遣いの者が参りまして 少し気になる事が。。。」

武田信玄の居室に声を掛ける 真田幸隆

「入れ なんだ、申してみよ」

「はっ 秋山虎繁の文によりますと、秋山城の北50Km程にある小川村という小さな集落があるのですが、3日前に村民のほぼ全員にあたる80名が忽然と姿を消したそうです」

「それは、野盗などのたぐいでは無いのか?」

「争った形跡は無かったそうです 実は、それ以前から美濃、尾張、信濃の村落から

老人達が、10人単位で居なくなるという届けも出ていたようで 文には、その村落の

地図も添えられておりました こちらです」

地図を受け取り、広げる 武田信玄

「秋山虎繁が急いで遣いを出した理由がこれか。。。」

「はい 御嶽山を中心にした村落から失踪者が出ております」

「アラン殿、ブルート殿を呼んでくれ!」

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