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戦国魔法奇譚  作者: 結城謙三
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春日山城

ブックマークしてくださった方 ありがとうございますm(_ _)m

「上杉謙信殿は、まだ目覚められませんか?」

「よほど、お疲れなのでしょう ぐっすりと眠っているようです」

忠勝の抱えた包に目をやる エヴァ

「めし屋を見つけまして、握り飯と焼き魚を包んでもらいました 先に頂きましょう」

そう言い、お茶の入った竹筒の水筒を1つ手渡す 忠勝

「ありがとうございます では、いただきましょう」

包みを広げ、握り飯を頬張る

「なるほど 日の本一の米どころと言われるだけの事はありますな! 上手いです!!」

「本当に美味しいですね〜 この国の米は、どこも美味しいですが 越後は、格別です」

空いている左手で、もう一つ握り飯を掴み口へと運ぶ エヴァ

「天女様。。。拙者と2人しか居りません、慌てなくても誰も取りませんよ?

その両手で食べ物を持つのは。。。如何なものかと?」

「あら? 本当ですね 意識していないのですけど おそらく孤児院時代の癖でしょうか? 美味しいものは、あっという間に無くなってしまいますので ふふふっ」

両手の握り飯を見つめ 可笑しそうに笑う エヴァ

「拙者には、可愛らしくて好ましいのですが 他の者が居る前では、控えたほうが宜しいですね」

「はい 気を付けます」

穏やかな時間が、2人の間を流れる。。。


「思えば2人だけで、このようにゆっくりと過ごすのも初めてかもしれませんね」

腹も満たされ、お互いの肩に寄りかかりながら 夫婦岩の上に浮かぶ月を眺める

「はい 天女様とこのような時を過ごせるとは。。。夢のようです」

「あの。。。天女様と言うのは、辞めていただけますか?」

「では、なんとお呼びすれば良いのでしょう!?」少し慌てる 本多忠勝

「それは、自分で考えて下さい! あと過ぎた敬語も必要ありません!」

「自分で考えろと言われましても。。。。? 今更、ルイ達のようにエヴァは無理そうですし、本名がエヴェリンでしたから。。。」

真剣に頭を抱え悩みこむ 忠勝

「どうやら、起きられたようです 奥に参りましょうか」


「起きられましたか?」

「ああ 思いのほか、長く眠ってしまったようだ すまないな、ずっとここに居てくれたのか?」

半身を起こし、羽織を丁寧にたたみ忠勝に返す

「無理もありません 人の身でありながら、あの魔獣に抗い続けただけでも驚くべき精神力をお持ちかと、とある鬼神でさえ一瞬とはいえ憑依されたのですから」

エヴァが労うように、竹筒のお茶を手渡す

「毘沙門天の加護のおかげじゃ あれは、魔獣という者なのか?」

「詳しい事は、順を追ってお話しします その前に握り飯などいかがですか?

越後の米は日の本一だと聞いておりましたが、確かに美味しいですね」

「そうであろう 清らかな水と豊穣な大地に厳しい気候の賜物だ、では1つ頂くか」

ゆっくりと味わうように、少しずつ口へと運ぶ 上杉謙信


「ここは、客人をもてなすには、不向きなようじゃな 春日山城へ行こうと思うが?」

「はい 魔獣でしたら、この地より去りました 春日山城の居室にも念の為に結界を施そうかと思います」

「“時空を超えた者”か。。。そなたが居たから武田信玄も、この国を統べる事ができると確信したのだろうな」

立ち上がり、毘沙門天像に手を合わせ歩きだす 上杉謙信


春日山城の東城砦から御館城に入り、腰を落ち着ける3人

「わしは一杯やるが、その方らもどうじゃ?」

女中に酒と梅干しを用意させる

「私は、固く禁じられておりますが 忠勝殿は、頂いたらどうですか?」

そう言いながら、梅干しに手を伸ばす エヴァ

「では、お言葉に甘えまして、実は越後の酒を楽しみにしておりました」

隣でゴクリッと喉を鳴らす エヴァ

「わしは、この越後の酒と紀州の梅干しに目が無くてな」

「謙信殿は、塩分の摂り過ぎで血の道が悲鳴をあげておりますよ ご自愛ください」

そう言いながら、居室に結界魔法を、上杉謙信に治癒魔法を施す エヴァ

「そういう物なのか、気を付けねばならんな  さて では、聞かせてもらおうか」





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