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戦国魔法奇譚  作者: 結城謙三
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「天女様! 拙者と夫婦の契を結んで頂けますか?」

ワナワナと震える唇で、何度も頭の中で夢想した一番言いたかった台詞を言葉にする

「はい ですが、この国の側室という制度は、認められませんが。。。」

「もちろんです!! そのような者は、必要ありません!!」

エヴァに背を向け、滂沱に咽ぶ 本多忠勝

「もしも浮気などされたら 私は、何をするか、解りませんが?」

「ふぁい、そのような事を、する筈もありましぇん」

色々と堪え過ぎて、呂律まで怪しい 忠勝

「決して戦いで死なないで下さいね」

「拙者は、死にません!」


毘沙門堂、洞窟の入り口脇にある石に2人で並んで腰を掛ける 本多忠勝とエヴァ

特に言葉を交わさずとも、言い知れぬ安らぎが2人を包む

他人とここまで気を許し合うという事が、これほどまでに満ち足りた気持ちになるという事に、生まれて初めて気付く2人 


「謙信殿が起きたときの為に、何処かで握り飯でも調達してこようと思います

しばらく、お一人でも大丈夫でしょうか?」

「そういえば、お腹が空きましたね。。。越後は日の本一の米どころと聞きました

少し多めに手に入るといいですね 楽しみにしています」

「是が非でも手に入れてまいります」

一足飛びに崖を登ると、声を押し殺し、両手を広げ全身で喜びを爆発させる 本多忠勝



水平線にゆっくりと沈んでいく太陽が夫婦岩と重なる 不意に目頭が熱くなる エヴァ

『なんだか、目に入るものまでが、今までと違って見えるのですが。。。これは、どういった現象なのでしょう? 

忠勝殿との未来を想像するだけで、死にたくないと思う自分が居るのは、臆病になっているという事なのでしょうか!?

人を愛するというのは。。。なんとも摩訶不思議な気持ちになるものなのですね』



下鴨神社 境内

「「父上!母上!ただいま戻りました!!」」

天武の到着を待ちわび、迎えに出ていた浅井長政とお市の方の胸に飛び込んでいく

満腹丸と茶々 

「よう戻ったな、2人とも少し大きくなったのではないか?」

2人の頭に手をやる 浅井長政

「どうして 母上のお腹は、そんなに大きくなっているのですか?」

「馬鹿だな茶々、もうすぐ僕達の弟か妹が生まれるんじゃないか 母上、触ってもよろしいですか?」

「もちろんですよ 2人ともこっちにいらっしゃい」


「お祖父様、ご無沙汰しております お役目と聞き、参上いたしました」

真田幸村が、祖父·幸隆の前で、片膝を付き頭を垂れる

「ふむ 幸村久しぶりであるな 此度のお役目は、将軍·武田信玄公を守る事だ

天女様より、お主らなら大丈夫だと太鼓判を頂いておる 精進するが良い。。。

随分頑張っていたようじゃな どれ顔を見せてくれ」

両膝を付き、幸村を抱き寄せる 祖父·幸隆


「「お祖父様、お久しぶりでございます!」」

武田信勝と北条氏直が揃って、祖父·武田信玄に平伏する

「うむ 2人とも息災そうで何よりじゃ もっと近うよれ」

「お祖父様も、お元気そうで、誠に嬉しく思います」

「うむ 2人共に精進していると聞いておる 氏直は親元を遠く離れ、寂しい思いなどしておらぬか?」

「はい 天女様をはじめ皆さんに親切にして頂いております」

「うむ 皆と仲良くやっておるか、信勝と氏直 お主らは、将来の武田、北条を背負って立たねばならん 今より親交を深めるのは、実に喜ばしいことだな 各々自覚を持って励むが良い」


「アラン殿、ブルート殿 天女様より預かっている品が御座います」

そう言い、葵生殿へと2人を誘う 真田幸隆

大きな包みを解き 火竜の尾を2人に見せる

「これは。。。ベヒーモスの尾か!? エヴァはいったい何をしていたんだ!?」

ブルートが目を剥き、幸隆に問いかける

「聞かれておりませぬか? 鬼神·大嶽丸と火竜との戦いで、大嶽丸を救い出す為に

駆け付け、尾を切り落としたそうです」

「聞いていないが。。。しかし、これがあれば強力な防具が作れるな アラン」

「うん。。。うん。。。」激しく頷く アラン



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