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戦国魔法奇譚  作者: 結城謙三
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エヴァ怒る

「毘沙門天の加護を授かっているとはいえ、あの魔獣。。。実は、ネボアというのですが、人の身で憑依を防ぐとは、上杉謙信殿というのは、並の精神力では、御座いませんね」

「天女様 それは、怨霊でなく魔獣という種族なのですか? しかも名前まであると?」

浅井長政が身を乗り出して、聞いてくる

「ええ 鈴鹿山に住む鬼神が一瞬ですが憑依され力尽くで己の精神から追い出したらしく、その時にあの魔獣の情報を得られたそうなのです」

「天女殿 越後の事は、どうすればよいじゃろう?」

「申し上げにくいのですが。。。最悪の事態を想定しなければなりませんでしょう

上杉謙信殿が、ネボアに憑依され家臣を洗脳し朝廷やお館様に刃を向けるという筋書きがネボアの目的でしょう」申し訳なさそうに 上杉景勝をチラリッと見る エヴァ

「ですが天女様 義父上は、毘沙門天に護られております 今頃は、毘沙門堂に籠もられ、そのネボアなる者も手も足も出ずに退散している事でしょう」

自分に言い聞かせるように声を荒げる 上杉景勝

「そうだと良いのですが、相手は鬼神にも取り憑く物の怪です 御父上殿も人の子 眠りもすれば、気の抜ける時もありましょう 国を収めるものとして将軍には、最悪の事態を常に想定して動いて頂かねばなりません」

「確か天女様は、織田信長のマントに取り憑いていた怨霊を見抜かれましたな?

と言うことは、そのネボアなる者に憑依された人間を見分ける事も出来るという事でしょうか?」流石の洞察力の持ち主 真田幸隆である

「そうですね 人以外の気の流れが感じられるでしょうから 見抜く事は容易いでしょう 一定の魔力を持ち、魔力操作を修得した者でしたら見分ける事は出来るはずです

憑依された人間からネボアを追い出す事が出来るかは、解りませんが。。。」

「なるほど、そう言うことでしたら、天武の誰かに軍を率いて越後へ赴いて貰うという事も考えられるわけですな」

「選択肢の1つと言う事でしたら。。。私から許可はしかねますが」

「憑依されたかどうか、見分ける為の目としてのお役目でしたら、我が孫·幸村に任せては頂けないでしょうか?」真田幸隆が天女に詰め寄る

「真田殿 幸村君は、あまりにも幼い、そういう事でしたら我が嫡男である満腹丸にお任せください」浅井長政が割って入る

「いやいや 浅井家の大事な跡取りを。。。。。。。」

「そう言われるのなら、茶々でも。。。。。。。。」

「お主ら、待たぬか! 我が武田家の信勝を忘れておるのでは無いか??。。。。。 」

3人が我が子、我が孫とまくしたてる 本人達の意志は無視して。。。

上杉景勝、直江兼続が訳もわからずに萎縮してしまっている

「皆さん落ち着いてください!」ため息混じりに言い放つ エヴァ

それでも3人の重鎮たちは、喧々諤々と止まらずに述べ合う


「許可はしないと言っております!!!!」室内を冷たい風が吹き抜ける

「「「はいっ!!」」」室内に沈黙が訪れ 視線で責任を擦り付け合う3人

何やら考え込む エヴァ。。。 さらに続く沈黙。。。。

「あの。。。皆さんのお子様やお孫様は、人外を見分ける目をお持ちという事なのでしょうか?」恐る恐る 直江兼続が口を開く

「「「そうっ!」」」思わず言いかけて、口を噤む3人 恐る恐るエヴァを見る

「わかりました 私が越後へと赴きます 上杉謙信殿の気力·体力が心配です すぐにも向かいましょう お館様の、護衛にはお雪ちゃんを置いていきます ネボアがもっとも憑依したい人間は、将軍·武田信玄でしょうから ここには、アラン·ブルートと天武の子供達すべてを呼び寄せましょう」途端に3人の顔がだらしなく崩れる

「おほんっ! 天女様お一人では、危険なのではないでしょうか?」

「本多忠勝殿と行ってまいります」



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