上杉景勝
「3日ほど前に、上杉軍が信濃に入ったとの報せが届きましたので 明日、明後日にも京に入られるのではないかと思われます」真田幸隆が武田信玄の顔色を伺いながら、告げる
「朝廷の書状に対する返事も無く 直接来られるというわけですね?」
「あやつは、そういう奴じゃ! 勿体ぶりおって のう幸隆!!」
「そうなのです それで我々もあれこれと要らぬ詮索をしておりまして」
「それは、毛利に並ぶ大国主なのですから致し方ないかと思います」
「何れにしましても、天女様が間に合って胸を撫で下ろしております」
「お役に立てるかは、わかりませんが 上杉との会談には、私も同席しても宜しいのですね?」武田信玄の方を見ながら問う エヴァ
「それは、是非ともお願いします」頭を下げる 真田幸隆
しばらくの間、近況を報告し合い 寝不足気味だった武田信玄が居室へと向かう
残された真田幸隆が、恥ずかしそうに口を開く
「あの。。。天女様 孫の幸村は、天武では頑張っておるのでしょうか?」
「幸村君は、頑張っていますよ 水属性の魔力に開眼しまして氷の精霊フラウと鉄の精霊フェローという精霊の加護を頂きました
私の予想ですが 天武でも1,2位を争う、攻撃魔法の遣い手になると思います」
「水属性の魔法が使えて、氷と鉄の精霊に加護を頂いたのですか。。。よく解りませんが、想像するに凶悪な力を発揮しそうですな」
「そうですね 前にも話しましたが、属性と精霊の組み合わせは、無限にありますので
何がしたくて、何が出来るのかは、自分で手探りで探していかねばなりません
攻撃魔法に特化しすぎて、防御を疎かにすることがないよう 見守って行かねばなりませんね 本人の性格も多分に影響しますので 今は特に道徳、人の道をという物を様々な方を講師としてお呼びして勉強しています」
「なるほど、人の手に余る力を手にした者は、その力以上に心も鍛えねばならないというわけですな。。。まったくもって、その通りだと思います」
「良い事を思いつきました! 幸隆殿にも是非一度、鳴海城で道徳の授業とこの国の歴史の授業をお願いします 幸隆殿との勉強会は、面白くて解りやすかったですから」
「勉強会ですか、懐かしいですな〜 しかし今は、お館様の側を離れる訳にもいきませんからな。。。幸村の顔も見たいですが。。。」
こうして久しぶりの京の夜が過ぎてゆく
翌日の昼過ぎ 浅井長政の使者が下鴨神社を訪れる
「上杉軍が新二条城に入られました 将軍·武田信玄公への謁見を求めております」
「上杉謙信殿本人が、来られておるのか?」使者との応対に真田幸隆があたる
「いえ 名代として、上杉景勝殿が参られておりますが 何やら切羽詰まったご様子でありました」
「切羽詰まった。。。? まぁ会ってみねば解らぬか あい解かった 今より2時間後
ここ下鴨神社の葵生殿で将軍との謁見を許可する 景勝殿本人と従者は2名までとする
それと浅井長政殿にも、同席頂けるよう伝えよ」
「はっ 確かに承りました」
去っていく使者を見送り 「どうにも嫌な予感しかせぬ」独り言をこぼす 真田幸隆
下鴨神社 葵生殿
上杉景勝が直江兼続と共に、葵生殿を訪れ 一通りの挨拶の後
上杉謙信の言葉を一語一句漏らさぬよう伝える
「それは、つまり上杉謙信殿が、道中何者かに頭の中を支配されそうになり それを防ぐために越後に戻られたと言うのか!?」
真田幸隆が信じられぬという様子で聞き返す
「その通りに御座います」
武田信玄が真田幸隆の耳元に顔を寄せる
「あ奴は、近くまで来ておきながら やはりわしに会いたくないが故に適当な事を申して帰ったのではないか!?」
「お館様、それはないと思います。。。天女様に意見を聞いて見ましょう」囁き合う2人
「天女様、今の上杉景勝殿の話を聞かれて、どう思われますでしょうか?」
「はい 上杉謙信殿の言われている事は、すべてが真実でしょう 織田信長殿に取り憑いていた怨霊を覚えておられるかと思いますが あの怨霊を超える能力の者が火竜の側に居ると把握しています」
「あの人の意を操る怨霊を超える能力と言われますと!?」
「今のところ解っているのは、人を操り、その周囲の者達を洗脳し操る事が出来るという事です その能力を理解し上杉謙信殿に憑依しようとしたのならば。。。かなりの知性を備えた敵ということになります」
「「「なっ!!!???」」」
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