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戦国魔法奇譚  作者: 結城謙三
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久々の本多忠勝

夕闇迫る下鴨神社の境内で一心に剣を振るう 本多忠勝

予定では、とうに到着している筈の天女様が連絡もなく遅れているという

『あの天女様に限って、もしもの事態など起こるはずもない!。。。。

俺ごときが、心配するなどと、笑止千万!!片腹痛いわ!!!。。。。

しかし、ああ見えて調子に乗ってうっかりされる所もあるからな。。。。

まぁそこがまた、堪らなく可愛いのだが いやいや何を考えておるのだ!!

この未熟者めが!! 素振り1000回追加だ!!!』


夕闇迫る下鴨神社の境内で一心に剣を振るう 本多忠勝 

足元の玉砂利が汗を吸い 見る間に黒ずんでいく

『それにしても、天女様に会いたい、かれこれ一月近くも顔を見ていないではないか!!

思い返せば、先月の別れ際に自分との何やらの契約を解除すれば、天女様が死んでも

俺は死なずに済むから 考えておけとか言っていたな。。。

そのような契約など、有っても無くとも天女様が死ねば、俺も死ぬのだから考える事など何も無いのだが。。。不可思議な話をされていたな?』


夕闇迫る下鴨神社の境内で一心に剣を振るう 本多忠勝

合計3000回の素振りを終え 大の字になって玉砂利の上に寝転がる

『会いたい! 会いたい! 会いたい! 会いたい! 会いたい! 会いたい!

幼き頃より、亡き殿の為 武道一筋に生きると決めた この俺が、恥も外聞も無く』

「天女様に会いたい。。。」思わず声に出す

「忠勝殿、そのような所で寝ていると風邪をひきますよ」

一瞬時が止まった気がした 色々とこじらせ過ぎて、幻聴が聴こえたのだろうか?

この玉砂利の境内を音も立てずに近づけるはずも無い、恐る恐る目を開けてみる。。。

待ち焦がれていた人が、手の届く距離で自分の顔を覗き込んでいる

一秒にも満たぬ時間で起き上がり、エヴァの右手を両手で握りしめる

「幻などでは無い!この手触り。。。この匂い。。。本物の天女様だ。。。」

涙ぐむ本多忠勝の頭を優しく抱き寄せる エヴァ

「私も会いたかったですよ」  

ジャッザッジャリッジャッザッジャリッ 玉砂利を踏みしめ 誰かが2人に近づいてくる

「天女様!ズルいです 私にもそれお願いします!!」お雪は、空気を読めない娘だった


武田信玄に帰京を報せるため、葵生殿へと肩を並べ歩く3人

「ところで、お雪殿が背中に背負っている大きな袋は、何なのでしょう?」

ようやく天女の抱擁から冷めた 本多忠勝が口を開く

「ああ これは、火竜の尻尾です 天女様が切断されたんですよね!」

「。。。。。。はっ!? 火竜の尻尾!!??何があったのか詳しくお聞きしても??」

「はい お館様の所で詳しくお話をするつもりです 忠勝殿も同席して下さい」



下鴨神社 葵生殿

「天女殿、待ちわびたぞ!」武田信玄が強面を、くしゃくしゃにして泣き笑う

「お館様、ご心配をお掛けしたようで申し訳ありません」

「うんうん 天女殿が、本当に無事で良かった ここ数日は、生きた心地がしなかったぞ」

「これで、お館様も夜ゆっくりとお休みになれますな」

「幸隆。。。それは、言わんでいい。。。」

「実は、鳴海城を出立してからなのですが。。。。」


鳴海城から、ここまでの経緯を説明する エヴァ

「そのような事があったのでは、報せも出せんわけじゃのう 何にせよ無事で良かったが、大嶽丸という鬼神も無茶をされるのう」

「そうなのですが、大嶽丸様とおりん様という頼もしい仲間が出来ましたのは、僥倖でございます」

「して、お雪殿の横にある大きな袋が、火竜の尻尾というわけか?」

身を乗り出して覗き込む 武田信玄

「それは、是非に見せて頂きたいですな よろしいでしょうか?」

真田幸隆も興味を隠せないようだ

「もちろん構いません お雪ちゃんそれをこちらへ」

子供の背丈もある、袋の口を解いていく エヴァ

そして中から、溶岩の塊のような、生物の体の一部とは思えない物体が皆の前に置かれる

「このような物を、よく切断できたものだのう。。。」

「大嶽丸様の斬撃で半分以上千切れかけていましたので、私の力でもなんとか。。。」

「それで、この尾は、なにか使い途があるのでしょうか?」

「はい 防具等と錬成する事で、その防具を強化したり思わぬ特性が得られることがありますのでアランに任せてみようと思います」



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