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戦国魔法奇譚  作者: 結城謙三
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真田幸隆

『なるほど、そう言うことですか。。。

 これは、ブルートを見つけても 帰れないかもしれませんね

困りましたね。。。。。。。』

本当に困ったように 眉間にしわを寄せる

『まあ なんとかなるでしょう!』

月を見上げ 清々しいほどの笑顔で思考を切り替える

『この戰場しか見ていませんが武器や防具を見る限り

文明水準は、私のいた世界とさほど変わらないようです

しかし魔法が無い!!

戦争にしても、狩りにしても、日常生活においても

まず魔法ありきの世界から来たわけで

逆に言うと、魔法が発達しすぎて 武器や防具が発達しなかった

ということである

一つ不思議なことは、この世界は魔素が溢れていて 

魔力の回復が驚くほどに早い 通常の回復魔法であれば

まったく魔力を消費しないほどに

陰陽師という職業の方が魔力を使うのかはわかりませんが

徳本の話では、物の怪を退治する事と未来予知に秀でた職業だったということですが、物の怪自体が居なくなり

随分と昔に廃れた職業だということですから』

「私とルイで最強なのでは?」

思わず口にしてしまう

おそるおそる馬上の徳本を見る 目が合うと不思議そうな顔で

首を傾げているので微笑みを返しておく なんだか嬉しそうだ


脳内会議の仕切り直しである

『例えば 部隊に硬化魔法を掛けるだけでも 相手に魔法が無いのであれば 負ける訳が無く さらに加速、筋力強化で。。。

無双出来るのでは?

ま〜 そんなに都合よくいくわけはないか?』


「天女様、お疲れでは有りませんか?」徳本が聞いてくる

「まったく大丈夫です 歩くことには慣れていますので」


『まずは、この世界の情報を収集する必要があるわね 

うまく溶け込んで 私とルイが生きていけるのかを見極めなくては』


「その浜松城という所で、今夜は休むのですね その後は

どうするのでしょう?」徳本に聞いてみる

「それは。。。」答えにくそうに、前方の信玄を中心とした一団をチラチラッと伺っている

『なるほど、機密情報に当たるわけですね これだけの部隊の移動なのですから当然ですね

世間話くらいから入っていくのが、無難ですね。。。

世間がわかってないのですが。。。』

「天女様 よろしいですか?」前方の集団から真田幸隆が歩みを緩めて並んでくる

「浜松城には数日間 滞在する予定です その後の事は

 まだ未定となりますが 天女様にも共に滞在いただけるので

 したら これほど嬉しいことはございません」

「私は、天より落ちてきたばかりですので この世界の事が

 何もわかっていません 色々と教えていただきたいのですが」

嘘は言っていない 天女設定で開き直ることとしただけである

「何を、お知りになりたいですか?」

「何もかもです 庶民の生活から この国の社会情勢 

 この国の歴史等も教えて頂ければ」

「わかりました お館様の許可を頂ければ 私が知りうる限りの事をお教えいたしましょう」 幸隆の誠実そうな人柄が伺える

「ありがとうございます 宜しくお願いします」

「では、少々お待ち下さい 聞いてまいります」歩みを早め

信玄の元へと向かう


浜松城への道程 真田幸隆の生い立ちから始まり

自らの領土での庶民の生活、生計、職種等事細かに語ってくれる

その話のわかり易さから、幸隆の知性を窺い知ることができる

領土内での農作物 庶民の主な食事 農閑期の内職等を聞いていたところで

月の明かりに浮かぶ建造物が見えてくる

「あれが曳馬城、今は浜松城と呼ばれています」

「あそこに私の仲間 ルイが居るのですね?」

「はい 伝令の報せでは、大層な活躍だったと聞いております」

「ルイは強いですよ 体は小さいのですが、単純な白兵戦であれば まさに一騎当千です その上 土と風の精霊に愛されていますので」自慢気に微笑む 調子に乗るタイプである

「陰陽師と聞いておりましたが 土と風の精霊を使役されるのですか ところでルイ殿と天女様とのご関係は?」幸隆の瞳の奥が光る

「私が彼の者の国へと降臨した際に、共に物の怪の退治へと赴いたのです 今は、付き人のようなものですが」 予め予想していた質問集より 用意していた答えを滞りなく話す

















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