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戦国魔法奇譚  作者: 結城謙三
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ネボア

鳴海城 北曲輪 林組教室

子供達の居なくなった教室で【鬼切】を前にう〜ん う〜んと唸る アラン

「アラン。。。そんなに焦らなくても、まだ時間は、あるから大丈夫だろう 鬼切は、そのまま太刀として使えばどうだ?」

見かねたブルートが声を掛ける

「剣士の修練を。。。積んでいない。。。」

「そうだよな、盾と打撃系か。。。 風魔党の連中が鎖鎌とかいう武器を使っていたよな ベヒーモスとの戦いでも活躍したようだが 棍と鎖と鎌の組み合わせだが 鎌の部分を鉄球に変えたらどうだろう? 使いこなせれば、凶悪な破壊力の武器になると思うけどな」さらさらっと目の前の黒板に図面を描いてみる

「ふむ。。。面白いかも。。。考えて見る。。。」



御嶽山から、北に進路を取る霧の魔獣ネボア 先日の大嶽丸との一戦で傷ついた母竜ベヒーモスと2頭の兄弟竜を火口内に残し餌の調達と、この世界で力を持った生物を探すため

連日足を伸ばしていた

昨日は、20人ほどの人間を火口から落としたばかりなので、しばらくは餌の調達を休み

一路北を目指し飛んでいる

眼下に続く山岳地帯を抜けると、手入れの行き届いた穀倉地帯と、人間の集落が見える

さらに足を伸ばすと、一際大きな木造の建築物を中心とした町が形成されている区画で

ゆっくりと下降を始めるネボア

ネボアの目的は、この世界を支配している人間という生き物の思考や習慣を理解する事と脳内にこの国の地図を完成させる事、もっとも大事な事が、この国を支配し根絶やしに

する為には、どの権力者に取り憑くのが良いのかを判断することである

これまでに、兄弟達の餌にする為に数十人の人間に取り憑き、周囲の人間を洗脳してきたネボアは、人間の思考経路や習慣といった物を、ある程度は理解していた

男と女という性別が存在し、男を中心とした社会を形成しており

善人も居れば悪人も居り、金銭や権力に固執し、血の繋がりを前提とした家族という集団、仲間という集落での生活を好むが、根底では自己中心的な一面を誰もが持っているにも関わらず 幼い者、年老いた者に食べ物を与え養い 庇護をする

実に複雑怪奇な種族である 善人と思われる人物でも必ず暗黒面を持っており

そこにネボアは取り憑き、意のままに操ってきたわけである


ネボアが目を凝らすと、西の方向に100名ほどの武装した集団を視界に捉える

半数ほどが騎乗し、荷車も数台確認できる その集団に音も無く近づいていく ネボア

隠密活動で霧の魔獣の右に出る者は存在しないだろう 音もなく近づき憑依し情報を得る

その集団の中から、騎乗し先頭を歩き身なりからも、この集団の中で重要であろう地位にいると思われる 若い武将に憑依してみる

“この男の名は上杉景勝 越後の国領主·上杉謙信の養子か。。。新たに将軍となった武田信玄に会うために上洛中 この馬の手綱を引いているのが直江兼続 この男の小姓か

上杉謙信こそ、この国を統べるに相応しい武将であり、心より尊敬し敬っており

武田信玄には個人的に思うところは無いが、養父である上杉謙信の天下の為の障害であると認識している”

思わぬところで、この国を揺るがす情報を得られる予感に小躍りする ネボア

上杉謙信を探すべく、景勝の頭から離れ、再び宙を彷徨う



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