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戦国魔法奇譚  作者: 結城謙三
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大嶽丸対ベヒーモス

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仄暗い火口の縁から ギョロッとベヒーモスの双眸が光る

霊気を含んだ大粒の雨が、戦闘態勢となった高温のベヒーモスの表皮に当たるたびに

ジュッ! ジュッ!と音を立て蒸発していく 中空に浮かぶ大嶽丸を睨み 

通常の生物であれば、震え上がり すべての戦意を削ぎ落とす咆哮を浴びせる

グオオオオォオォッォォォォオオオオッォォォッ!!!!!!!!

音の波が、まるで凶器のように大嶽丸に襲い掛かる すべての体毛が逆立ち

プツプツと体表が泡立つ 『ふむ 武者震いと言う奴か!』口元に笑みさえ浮かべ

ベヒーモスに向け頭から突進していく大嶽丸 両手に持った氷の剣を上段に構え

一息に振り下ろす ふんっ!! 火口の縁に深く食い込む刃

予想を越える俊敏さで大嶽丸の初撃を横に動き躱すと、遠心力を乗せた尾を大嶽丸の横腹へと振り切る バッチインンンンンンンンッッッ!!! 剣の腹で尾の攻撃を受け止め

そのままの姿勢で10mほども後退させられる大嶽丸

亀裂の入った剣を捨て、一本の氷の大槍を創り出し 正眼に構える

大嶽丸の体が横にゆらっと振れたかと思うと、右に一体、左に一体の分身を創り出し

火口を背に立つベヒーモスに、3体の大嶽丸が重なり大槍を突き出す

前衛の大嶽丸を火炎で屠り、2体目の大嶽丸を尾で薙ぎ払い、3体目に爪を突き立てようと腕を振り上げたまま一瞬固まるベヒーモス

目の前に現れるはずの3体目の姿が無く、大槍の穂先のみが、大蛇の鎌首を思わせる動きで横にしなり揺れながらベヒーモスの腹部に迫る

瞬時に身を捻る

ガガッガッガッガッガガッガッ!!!

ベヒーモスの左足の付け根の表皮を削りながら

後ろへと逸れていく大槍 

ベヒーモスから20mほどの距離で下半身を地中に沈めた大嶽丸が追撃に備え大槍を素早く戻す

溜めの時間の全く無い火球がベヒーモスの口から放たれる もう一体の分身を創り出し 分身の腹で火球を受ける大嶽丸

中空へと飛びながら、大槍をしならせベヒーモスに叩きつけようと上段から振り下ろす

4本の足を地につけたベヒーモスが、大嶽丸の着地するであろう地点に猛然と突進する

落下の速度を上乗せした大槍に、己の体重を乗せ

ベヒーモスの頭頂部へと大気を切り裂き走る穂先

バチッィィィンンンンンンン!!!!!!

わずかに首を捻ったベヒーモスの肩口に大槍の留め金が喰い込む

しかしベヒーモスの勢いは止まらず、突進の勢いそのままに大嶽丸の下半身を抱え 

ズルズルと押し込む 大嶽丸の爪先が深く地中を抉るが なおも後退を余儀なくされ

ベヒーモスの右脇に差し込んだ左手からぶすぶすと焦げ臭い匂いがあがる

『これは、少々分が悪い』1人口籠り

右手に持った大槍をベヒーモスの背中 翼の付け根に穂先を突き立てるが

不安定な体勢からの刺突では、鋼鉄のような表皮と筋肉に阻まれ穂先がわずかにベヒーモスの表皮に傷をつけるだけに留まるが 左手をベヒーモスの右脇から素早く引き抜き

大槍を両手で支える ヒュッと息を、ひと飲みし衝撃に備える 大嶽丸

ドッガッ!!!ゴロォゴロゴロォォォッゴロゴロォォォッ!!!! 「雷神!!」

ベヒーモスの背に突き立てた大槍に天空より糸を引き、落雷が突き刺さる

一瞬の静寂 バシャバシャと大粒の雨が水溜りに跳ねる

ベヒーモスの4本の足と大嶽丸の両足から煙が上がる 

体を低くしたベヒーモスの動きを察し 後ろへと飛び退く大嶽丸

「雷神の一撃でも膝をつかぬか。。。? ならば!!」

頭から突進してくるベヒーモス 自ら創り出した突風に乗り距離を取る 大嶽丸

「地獄礫!!」人の頭ほどもある(ひょう)が中空に浮かび 大嶽丸が右腕を振り下ろすと同時にベヒーモスに向け 渦を巻き襲い掛かる

一瞬の溜めの後、ベヒーモスから吐き出される業火 放たれた雹を溶かし 射線上にいる大嶽丸に襲い掛かる

カンッ! カンッ! カンッ! カンッ! 溶け残った雹がベヒーモスに当たり砕ける

目前に迫った業火を、氷で創り出した盾で受けるが粘性を持った炎に耐えきれず溶け出す

「こやつは、俺様とは相性が悪いようじゃな。。。」

着ていた服の殆どを焼け焦がされ、(ふんどし)姿で立ち尽くす 大嶽丸




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