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戦国魔法奇譚  作者: 結城謙三
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大嶽丸とベヒーモス

ブックマークしてくださった方

ありがとうございますm(_ _)m

「天女様!お雪ちゃん!叔父上が出て行ってしまいました!!」

《あの馬鹿が!!御嶽山に向かったんだろうね。。。あれほど言ったのに》

「華陽様、このような置き手紙が。。。」

《読んでみてくれるかい》


[おりん、姉さん、お客人 やはり俺様には、おりんに災いをもたらすであろう

あの火竜を放っておくことは出来ん ましてや、あのように若く美しい娘達に戦わせるなど、俺様の矜持が許さん!! すぐ戻るので、それまでおりんの事をよろしく頼む]

顔を青ざめ、手紙を握り締める おりん


「追います!」すぐにも駆けだそうとする エヴァ

《待ちな 本気で空を駆ける大嶽丸には、あんたでも追いつけないよ おりん、大嶽丸の魔力は、どのくらい溜まっていたんだい?》

「はい、鈴鹿城の封印を解き、現世に顕現させる為にかなりの妖力を使ったと言っていましたが。。。おそらく半分くらいは、あると思います」

《まぁ簡単にやられる事は、無いとは思うが おりんあんたは、通力の譲渡って出来るのかい? たしかほとんどの天女が出来ると聞いたことがあるんだけどね》

「はい 母上に教わりましたが、叔父上は、私の神通力を妖力に変換する事が出来なかったものですから 実は、まだ試した事がありません」

《そうかい じゃあ、あたしで試してくれるかい? あたしなら神通力を妖力に変えれるから安心おし》

「はい 半人前天女の通力で宜しければ、すべてお渡しします 羽衣を取ってまいります 少しお待ち下さい」

《すべては要らないよ2割くらいは、残すんだよ》


羽衣を纏った、おりんが妖狐の傍らに立ち 古の呪文を詠唱する

「光の恩寵を以てここに宣ずる ここは聖域にして我が領域 全ての通力は我が意に降り この力無き者に 我が通力を与え給え」


羽衣が風に吹かれたかのようにはためき、おりんの長く黒い髪がたなびく

おりんの力の奔流が細い渦を巻き自分と妖狐とを繋ぐ 妖狐の黄色かった毛並みが徐々に白みを増していく

《ありがとうよ この辺にしておこう とりあえず戦えるくらいには、溜まったようだ》


「お玉様 それでは、参りましょう お雪ちゃんは、ここでおりん様と待っていてくださいね」

《ああ 行こうか、あたしの背にお乗り》

そう言うと、尾が6本になり人の数倍の大きさへと変幻する

「あらっ 尾が2本も増えています!?」

《ああ。。。天女の通力というのは、妖力に変換すると物凄い量になるんで、驚いたよ じゃあ行こうか》

中庭へと出て、地面を軽く蹴ると中空へと浮かび上がる妖狐に、羽衣をはためかせ背へと飛び乗る エヴァ 夕焼けの雲に溶け込むように 東へと飛ぶ 妖狐



御嶽山

自分達に猛烈な敵意を持った巨大な存在が、飛翔して来ていることを悟ったベヒーモス

傍らに寝そべる我が子らを見る 自分の半分ほどの大きさにもなっただろうか?

そろそろ狩りを教えても、良い頃合いだろう ネボアと名付けた末っ子が、誘導してくる餌を玩具代わりにもてあそび、断末魔の叫びと共に喰らう事を覚え、体内で魔力を練る事も覚えさせたが、独り立ちするまでには、まだまだ時を要する

この子達は、何がなんでも守らねばならない。。。

火口を見上げるベヒーモス ネボアにここに残るよう念じ 翼をはためかせる


御嶽山上空

陽も落ちかけた薄闇の空を 雲に紛れながら、目的地の上空で噴煙の上がる御嶽山の火口を睨む 鬼神の姿となった大嶽丸 漆黒の表皮に頭からは、2本の角が突き出し 血走った眼が赤く光を湛え 獰猛なまでに牙を剥く

人間の考える黒鬼の姿が、そこにあった 人間が考えるより遥かに強靭で巨大ではあるが


『付近に生き物の反応は無いか。。。喰いつくしやがったな 今から俺様がお前らを喰い尽くしてやるからな!!』

天候を自在に操る大嶽丸が、御嶽山の火口を中心に豪雨を叩きつけながら

2本の氷の剣を創り出し その2振りを両手に火口へとゆっくりと降りていく


ブックマーク&星で評価して頂けると嬉しいです

何卒m(_ _)m

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