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戦国魔法奇譚  作者: 結城謙三
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大嶽丸

《あんた京に登るのかい?》

「はい お玉様 まもなく出立しますが どうかされましたか?」

《うん そうなんだけどね。。。鈴鹿山の近くを通るね?》

「通りますね どうしたのですか? 珍しく歯切れの悪い物言いですね?」

《いやね 古い知り合いが目覚めたようなんだけどね あたしも同行してもいいかい?》

「もちろん構いませんが、ルイは残りますよ」

《あたしゃあルイの保護者じゃないんだ ここならこの国で一番安全だろ。。。

まったく火竜の影響かあんたらの影響か知らないけどね 面倒なのを起こしてくれたね》

「お玉様の古い知り合いで鈴鹿山といいますと 鬼神·大嶽丸おおたけまる様ですか!?」

《ああ よく知ってるね 天女である、あんたを見たら 何をするかわかったもんじゃないからね 着いていくんだよ》

「お玉様。。。私は、なんちゃって天女ですよ?」小声で囁く エヴァ

《嘘もつき通すと誠になるんだ あんたを信仰している人間がどれだけ居ると思っているんだい!? あんたは霊格で言っても立派な天女なんだよ》

「あら そういうものなのですか? それは嬉しいです これでも後ろめたい気持ちもありましたので」

《だから困っているんじゃないか! まぁいい じゃあ出立するかい》



「お玉様も、一緒なのですね!? ルイの傍を離れるとは、珍しいですね」

《ルイの保護者じゃないってのに まったく!!》

きょろきょろと辺りを見回す お雪 しかし付近にはエヴァしか居ない

「天女様、いま何かおっしゃいました?」

「私は、何も言っていませんよ」足元の妖狐を見る エヴァ

《お雪だったね あんたも人を辞めちまったのかい!?》

「わあ!! お玉様が喋りました!?」

「お雪ちゃんにも、精霊が宿りましたからね お玉様と話ができますね 念話ですが」

「そ、そうなんですね。。。お玉様よろしくお願いします」

ふんっと鼻を鳴らすと 隠していた4本の尻尾を広げ ふわっと中空を泳ぐ 妖狐

《道中、暇だからね。。。あんたらに昔話を聞かせてやるよ》

「鬼神·大嶽丸のお話しですね とても興味があります 是非お聞かせください」

しばし妖狐の昔話に耳を傾ける エヴァとお雪


《あたしが、あの鬼に初めてあったのが天竺に居た頃でね もう800年も前の話だね

日本を魔導に落とそうと企んでいた、阿修羅王が当時まだ若かった大嶽丸に〈三明の剣〉を授けるんだよ 大嶽丸は、その3振りの剣 大通連・小通連・顕明連それぞれに自分の魂魄を宿らせ、そのうちの一本顕明連を天竺に隠しに来たのさ

その時に天竺で悪さをしていた あたしは、異国の鬼を追い払おうと大嶽丸を懲らしめに行くんだけどね

阿修羅王から授かった〈三明の剣〉に護られた大嶽丸は思いの外しぶとくてね。。。

7日間にも渡る戦いの末に、ようやく屈服させたんだが 姉さん 姉さんと妙に懐かれちまってね 本来の目的も忘れて2年ほど天竺であたしの後をついて回っていたよ

あたしが九尾になったのも、大嶽丸との戦いの一度きりだけどね。。。

大陸の大きな街を跡形もなく滅ぼしちまったよ》

「そんな事が。。。その話は、この国には伝わっていませんね」

「お玉様。。。怖いです」 お雪の妖狐を見る目に畏怖が混じる

《まぁそうだろうね 人の入り込める領域の話じゃないやね

そんなある日、夢に阿修羅王が出てきて、えらい剣幕で怒られたって慌てて帰って行くんだけどね 私も多少は情が湧いちまってね、顕明連を守る約束をして帰らせたんだけどね それから、100年もしないうちに大嶽丸が魂魄だけになって戻ってきたんだよ

顕明連を私に預けていったのが正しかったって事だね 顕明連に憑依して肉体を取り戻すまでに数年かかるからね、その間に鈴鹿山で起きた事を詳しく聞いたのさ

腹が空いたね そこの茶屋で休憩がてら団子でもどうだい?》


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m(_ _;)m

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