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戦国魔法奇譚  作者: 結城謙三
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蹴鞠

鳴海城 

長かった梅雨も明け、エヴァ達4人にとって初めての茹だるような暑さの夏を迎える

「この国の四季ってのは、極端すぎるだろ。。。冬の寒さと、夏の暑さの差が異常だろ」

「同じ土地にいても、季節によっての様々な側面を楽しめると思えば、風流ですよ」

水を張り、山のように氷を入れた、たらいに足を浸しながらエヴァが微笑む

「見てみろエヴァ この炎天下の中、俺もアランも子供達も体術の修練に汗を流しているんだぞ! そんな所で涼んでいて恥ずかしくないのか?」

「ルイ。。。どうやら私は、暑さに弱いようなのです せっかく幸村君が氷を出してくれたのに、その好意を無駄にする訳にもいきませんし。。。」

耳が痛くなるほどの蝉の声に顔をしかめる エヴァ

「まぁいい これから6人対6人の試合をするから審判を頼むな」

「試合? なんの試合でしょう?? ここから動きたくないんですけど。。。」


[白組]

ルイ

お雪

浅井茶々

武田信勝

大谷屋千代

井伊直政


[赤組]

アラン

真田幸村

伊達政宗

浅井満腹丸

北条氏直

織田信忠


「それでは、第一回天賦蹴鞠大会を開催するぞ!!勝者には、俺が隠し持っている最後のバナナを進呈する」

「「「「「「「おおおおおぉぉぉバナナ!!!!!!」」」」」」」

「待ちなさい!!! ル〜イ!!!! バナナとはどういう事ですか〜!!!!!!」

絶叫するエヴァに、聞こえないふりをする ルイ

「よく聞いておけよ これがボールだ、この鞠を相手陣営の、あそこに見えている木枠ゴール[幅7m高さ2·5m]の中により多く入れた方の勝ちだ 手を使っていいのは、あの木枠を守る護人1人だけで、残りの5人は足と頭だけで鞠をあの木枠に入れたら得点だぞ

時間は、前半30分·休憩10分·後半30分な、じゃあ、それぞれ戦術を決めたら始めよう」


「白組は、こっちに集まれ まず護人は、俺がやる お雪ちゃんと信勝が攻め手で、ひたすらに相手の木枠に鞠を蹴り込め 茶々と千代と直政は守り手だぞ、こっちの木枠に鞠を入れられないように守るんだ! 鞠を奪い取ったら、すぐさま前に居るお雪ちゃんか信勝に渡すんだ いいな!」

「ルイ 魔法は使っていいんだよね?」

「ああ魔法もスキルも使っていいけど 魔力切れで倒れるのは、やめてくれよ」


その頃、赤組は。。。

「木枠は。。。僕が。。。護人。。。」

「「「「「はい アラン先生!!。。。。。戦術は??」」」」」

「幸村。。。政宗。。。信忠。。。が前。。。満腹丸。。。氏直。。。が後ろ」

「前? 後ろ?」

幸村の耳元に顔を近づけ、何やら耳打ちをするアラン

「ああ なるほど、前というのは、攻め手で、後ろは守り手だそうです 私と、政宗君、信忠君で相手の木枠に鞠を入れ 満腹丸君、氏直君、アラン先生で木枠を守るという事だそうです」うんうんと首を縦に振る アラン


「よ〜し 始めるぞ エヴァ合図をしてくれ!」

ピィーーーーと草笛を吹きながら、鞠を投げ入れる エヴァ

その鞠にいち早く追いついた 真田幸村が右足を振り上げ白組の木枠を狙う

「痛っーーーー」井伊直政の石化魔法で重くなった鞠につまずき転がる 幸村

「なるほど、魔法も有りなんだな!」

石化を解いた直政が、前方のお雪に鞠を蹴り渡す その鞠を胸で止め 落ちてきた所を

強化した右足で木枠の右上に蹴り入れる! アランが横に飛び上がり左手一本で掴み取り

すかさず浅井満腹丸へと投げ渡す 鞠を獲ろうと足を伸ばした瞬間 大谷屋千代の風魔法が鞠の軌道を変え

武田信勝の足元に鞠が転がるが 伊達政宗の土魔法が信勝の行く手を阻む

織田信忠により旋風が吹き荒れ そこかしこに浅井茶々の雷魔法が乱れ落ち

満腹丸の土魔法と武田信勝の火炎魔法が、ぶつかり合い火柱が上がる

そのすべてを飲み込もうと真田幸村の水魔法が高波を創り出し、津波となって押し寄せる

前半終了の草笛に気づく者も、鞠の所在に気づく者も居らず 広場内が地獄絵図とかしていく中 ずぶ濡れとなったお雪の胸元に見惚れていたルイの横を鞠がコロコロと転がり

ゴールネットを揺らす。。。


「赤組1点!!!」 「「「「「おおおおおぉぉぉ!!!!!」」」」」木霊する歓声


「なにやら、大変な騒ぎになっているな ほ〜殺界サッカーとは懐かしいな」

自室で研究に没頭していたブルートが顔を出す

「ブルート良いところに来ました 残り時間も僅かですが、貴方は白組に私は赤組に入れてもらいましょう!」

「そうだな新術を試すのに丁度よいか」

「私が赤組!ブルートが白組に入りま〜す バナナを忘れないで下さいよルイ!!」

 中央からブルートが蹴り出した鞠の前方の空間が歪み 鞠が吸い込まれる

全員がキョトンッとしているとアランの後方の空間が歪み 鞠が現れ出て網を揺らす


「白組に1点!!!! 同点です!!!!!」 「「「「おお!!!????」」」」

「ふむ 時空魔法で空間を歪めてみたが、使えそうだな」

「そんなバナナ。。。」

あ然とするエヴァにより、この世界にバナナを使った駄洒落が生まれた瞬間である


そして終了間際、さらなる地獄絵図と化した広場内で

とことこと千代がアランに近づいて行き

「アラン様 千代は怖いです。。。」その瞳に涙さえ浮かべる 千代

アランが慰めようとその手を千代の頭に伸ばした瞬間

空間収納に隠し入れていた鞠が転がり落ち 網を揺らす

「アラン様 バナナ半分あげますからね!」


ピィーーーーーーー 「終了です 白組の勝ち!!!!」

「「「「「「おおおおおぉぉぉ!!! バナナ!!!!!!!」」」」」」


ぐったりと倒れ落ちるエヴァ



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