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戦国魔法奇譚  作者: 結城謙三
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帰路

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安芸国 吉田郡山城 

「あの方は、疑う余地も無く天より遣わされたと。。。そう申すのじゃな?」

「はっ それは間違いなく」

「まぁわしも清水殿も、そのような結論に達したがな、間違っても将軍·武田信玄公に敵対するような事は無いから安心せい。。。それにしても、このバナナという物は、実に甘くて美味いのう〜我が領土で栽培できんものかのう。。。」

「天女様が仰るには、このバナナという果実は、栄養価が非常に高く、乳幼児にも最適だと仰っておりました」

「腹持ちも良さそうじゃのう、5本ほど食べたが腹も膨れてきたぞ」

すっかりバナナ談義に花が咲く 毛利輝元と猿


翌日の早朝

物見櫓に居る猿が、5つのバナナの山が麓の城門に近づいてくるのを見つけ、向かえの者を差し向ける

「天女様お待ちしておりました」

「猿さん、出迎えありがとうございます 早速ですが、お願いしていた酒は、用意していただけましたか?」

「もちろんに御座います お召し上がりになりますか?」

「いえ 私ではありません 案内していただけますか」

二の丸の中庭に置かれた 銘酒「鬼殺し」

「神事を執り行います 四方を用意して、幕を張って頂きたいのですが」

「はっ ただ今すぐに」

張られた幕に一人で入り、樽の前に置かれた四方に草薙剣を供える

ごっごっごっごっごっ ごっごっごっごっご

と喉を鳴らすような音が暫くの間、続き 満足したのか、刀身を震わせる

《400年ぶりの酒だが、人間どもも腕を上げおったな これほど旨い酒は、初めてじゃ》

「それは、何よりです 明日もまた用意いたします」

草薙剣を風呂敷に包み、幕を出る エヴァ

「天女様、食事の用意と湯を用意して御座います

他の皆さんは、あちらでお休みになっていますが」

「そうですね清水殿、その前に輝元殿に挨拶をしましょう起床されていますか?」

「では、ご案内致します」


「天女様、無事のお戻り、この輝元安堵いたしております」

「街道もよく整備され、領民も親切な方ばかりで

良い旅でした」

「天女様にそう言って頂けるとは、恐悦至極に御座います あのバナナなる果実も大量に頂き、ありがとうございます」

「この旅での収穫の一つです 輝元殿の領地で採れたのですから、栽培してみますか?」

「それは、是非にお願いいたします!!」

「帰りましたら、尾張の鳴海城にて試しに栽培してみようと思っています 何名か遣わして下さい」

「それは、有り難いことです 間違いなく国益にもなりましょう」

「色々と、お世話になったお礼です それでは、少し休ませて頂いてから京に戻ろうと思います」

「是非に数日滞在していただきたいのですが、そうもいかぬのでしょうな。。。将軍によろしくお伝え下さい この毛利輝元、有事の際はいつでも駆けつける所存で御座います」

「それは、何よりの土産となりましょう 頼りにしていますよ」


荷馬車を用意してもらい 出立の準備が整う

「では、皆さん予定より遅れています 中国大返しですよ!!」


京の都 丸田町周辺

5000戸の住宅、表通りに面した約200戸の住宅兼店鋪

の建築も終わり 羽柴組の面々が畳を運び込み、戸や窓の建て付けといった、内装工事に駆け回っている

ちなみに5000戸の住宅に対して3万件を超える応募が殺到しており、役所では連日その対応に追われている


京の都 二条城

羽柴秀吉、秀長兄弟が浅井長政·お市の方夫妻を、内装のみを残すだけとなった二条城内を案内している

「浅井長政様お市様、ここが避難所の食料備蓄倉庫になります 5千人が一週間に必要な水や米、瓶詰め等の食料を保管しておく事を想定して作ってあります」

「羽柴殿、旧知の貴方との仲だ 敵として向かい合った時もあったが、今は将軍·信玄公の元、志を共にする仲間で御座ろう 公の場以外でそのような敬称は不要としよう」

「長政様、朝廷より京都守護職を任じられ、将軍の右腕と目されている自覚をお持ち下さい」

「ただの役割なんだがな。。。正直荷が重い」

「殿、役が人を作るとも申します 足りないところは、人に頼れば良いのです 殿は、まだまだお若いのですから、焦らずに共に歩みましょう」

そっと長政の手を取る お市の方

「そうだな、義兄の分まで。。。自分に出来ることを、するとしよう」

「では、上階をご案内いたします」



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