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戦国魔法奇譚  作者: 結城謙三
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毛利輝元

安芸の関所にて物々しい歓待を受け、吉田郡山城下に入る 天女一行

茶店で買った団子を食べながら歩いていると、前方から駆けてくる6騎の騎馬 3人の前で一斉に降り立つ強面の侍たち

『きたー ついに来ました〜〜 待ちわびました〜』

ちょっと、涙目のエヴァ

すると3人の前に平伏す侍たち

「天女様御一行とお見受け致します 拙者、毛利家臣·清水宗治と申します 我殿·毛利輝元が是非におもてなしをしたいと、城内で待っております ご同行頂けますでしょうか」

「急いでいるのですが。。。」

「打ち立ての蕎麦に、鰻の蒲焼、穴子の天ぷらなど、用意させて頂いております」

事前に天女を釣る餌を仕込んでいた 清水宗治

「急ぐ旅でもありませんし お言葉に甘えましょうか」

輿に揺られながら 郡山城へと向かう


吉田郡山城 本丸 謁見の間

「勝さん、なぜ私は、ここに座らされているのでしょう?」

忠勝だけに聞こえるように小声で問い掛ける

「天女様が、上座に座られるのは、当然でございますが?」

「私は、ご飯を食べに来ただけなのですが。。。」

エヴァを上座に左右にずらっと50名ほどの毛利家臣が居並ぶ 正面の襖が開き 礼式に則た朝服を着た若者がエヴァの正面まで歩み寄り 流れるような動作から平伏すると

家臣団も一斉に平伏す

「天女様、お初にお目にかかります 安芸国主·毛利輝元に御座います」

「面を上げてください 天女と呼ばれております」

平伏したまま、動かない一同に本多忠勝が声を上げる

「皆の者、面を上げよ」

「この度は、我らが領土に天女様御一行が、足をお運びくださった事、恐悦至極にございます しかもそれだけに留まらず 入っております報せだけでも、高波で座礁した漁船を引き揚げ、遭難した漁師まで助けて頂き 土砂崩れで通行不能となった街道を修復して頂き落石の被害にあった領民の治療まで施され 播磨国では、50名以上の流行病による重症者を治療するだけでなく、根治までして下さったとの報せを受けております」

清水宗治の報告に居並ぶ家臣団が感嘆の声を上げる

「我が領民をお助けくださった事、心より御礼申し上げます」

主の感謝の弁に、揃って頭を下げる一同


「ここまでの道中、まったく悪意のある者に出会わない。。。落ち着いた良い国ですね

輝元殿、貴方のお人柄が国の民にも出ているのでしょう」

「はっ 有り難きお言葉、痛み入ります 家臣を含め領民には、出来ることならば、戦などない生涯を送ってもらいたいと思っております 腑抜けだと笑われますが」自嘲気味に笑う 輝元

「素晴らしいことです 今この国は、征夷大将軍·武田信玄公の元、一つになろうとしています きっとその願いが叶うことでしょう」

「はっ この毛利輝元、微力ながら天女様の信の厚い武田信玄公に如何なる助力も惜しまない所存で御座います」

「それを聞けただけでも、この旅に出た甲斐がありました 頼りにしていますよ」

「天女様、一つお訊きしてもよろしいでしょうか?

朝廷よりの書状にもありました 火竜というのは、どのような生き物でしょうか?」

「現在この国の最大の懸念です 体躯は、あそこに見える二の丸程でしょうか 翼を有し高速で空を駆けます 京の上空に現れ、僅か数分で町を火の海とし数万人の民と二条城に居た将軍·足利義昭公、本能寺に居た織田信長公等が犠牲になりました」

「にわかには、信じられなかったのですが。。。

真の話だったのですか 空を飛ぶということは、我が領土も安全では、ないという事ですね そのような怪物を相手に打てる手は、あるのでしょうか?」

「この国の何処にも、安全な場所など無いのかもしれません しかし私達が必ず討ちますので。。。信じていてください」

 

その後、膳が運び込まれ豪勢な料理に舌鼓を打つ

「この鰻の蒲焼というものは、美味しいですね〜

この甘辛いタレがたまりません! この国の蕎麦も風味が豊かでいくらでも食べれてしまいます」

「気に入って頂けたようで 何よりで御座います」


「天女様は、この後は、どちらまで行かれるのでしょう?」

「長門国の壇ノ浦まで行ってから、京に戻ろうと思っています」

「何か私に手伝えることは、ありませんでしょうか?」

「壇ノ浦で船を一艘用意して頂けると助かります」

「それでしたら案内の者を1人付けますので、その者に船を用意させましょう 良いな犬飼」

「はっ お任せください」


天女一行と犬飼次郎を見送る 毛利輝元

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