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戦国魔法奇譚  作者: 結城謙三
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武田信玄の憂鬱

下鴨神社 葵生殿

真田幸隆が上質な紙に描かれた日の本の地図を広げる

「天女様もご存知のように、お館様が征夷大将軍に任命され朝廷より、正親町天皇の名ですべての諸大名に書状が送られました お館様が征夷大将軍に任命された旨と属従するか否かを問う書状なのですが こちらの地図で言いますと北は、最上、伊達、葛西と南は島津、大友というようにほぼ全ての領主から、さらには武田に次ぐ勢力である毛利からも 武田信玄公であれば属従するという友好的な返信が届いておりました」

「流石は、お館様ですね 家臣からも領民からも敵だった者からも、これほど慕われるのは武田信玄をおいて居りませんでしょう」

「はい、ここまでは拙者も予想していた通りなのですが。。。」

ちらっと武田信玄を見る 真田幸隆 

不機嫌そうに頬杖を突き 唇を尖らせている 武田信玄

「つまり、この地図の空白部分。。。上杉謙信からは、色よい返事が頂けなかったということですか?」

「天女殿!! 色よい返事どころではないのじゃ!! 耄碌(もうろく)した年寄りに国の舵取りを任せる気は無いと返事をしおった!!!」湯気が出るほどに顔を紅潮させる 信玄

「あらっ そうなのですか!?」

「いえ 遠回しな言い方ですが。。。まぁそのような内容です 上杉謙信とお館様は、お互いがもっとも刃を交えた間でして それ故に、もっともお互いを知り尽くしているといいますか 正親町天皇の勅令であれば、この国の平定の為に属従すると読んでいたのですが、どうやら甘かったようです」

「だから申したであろう!! あ奴は、天の邪鬼なのじゃ!!!」

「実は、上杉が兵糧を集め、兵を募っているという報せが入りまして」

「それは、穏やかではありませんね 今の武田家に勝てると思っているのでしょうか?」

「浅井、朝倉、北条を同盟国にしている我らに到底勝ち目は無いと考えるはずなのですが。。。」

「幸隆!! 武田だけで十分じゃ!!!」激昂して席を立つ 武田信玄

「お館様!! どちらに!?」 「厠じゃ!!」

「お見苦しいところをお見せしました お館様は、上杉謙信に犬死にをして欲しくないと、お考えなのだと思います おそらくは、我らの誰が行っても上杉謙信は、聞く耳を持たぬでしょう そこで天女様のお知恵をお借り出来ればと、わざわざご足労頂いた次第です 申し訳ありません」

「わかりました 少しお時間を頂けますか? 考えてみます」

「ありがとうございます それと。。。孫がお世話になっております 迷惑をかけていなければ良いのですが」

「幸村くんですね 何事にも一生懸命に取り組まれていますよ とても良い子ですね」

「天女様にそう言って頂けるとは、有り難いことです 明日も正親町天皇に謁見なのですが、出来るならば天女様も、御一緒にとの事に御座います」

「わかりました 同行致します」



「ルイ、ブルート、お玉様もご苦労さまです 二条城の再建現場を見てまいりました 予定よりも早く終わりそうですね」

「お玉様は、何もしていないけどな 寝てるだけだ」

ルイの尻に噛みつく 妖狐

「日に日に魔力量が増えていくようで、出来る仕事量も増えているんだ 明日からは、内裏内も取り掛かれそうだ」

「魔力が枯渇する寸前まで使うと、魔力の上限が上がるというのは、感じていました 私もこの世界に来て随分と魔力量が上がった気がします」

《この2人の魔力量は、随分と上がってるよ 容量が上がっているからね 次は、出力を上げる鍛錬をするといいよ》

「さすが千年を生きる、お玉様ですね 出力を上げる鍛錬と言いますと 何をすれば良いのでしょう?」

《そうだね〜 自分よりも強い相手との実戦に近い試合が一番手っ取り早いけど、アンタ達よりも強い相手を見つけるほうが難しいやね〜》

「それでしたら、なんとかなるかも知れません」

不敵な笑みを浮かべる エヴァ




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