表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
戦国魔法奇譚  作者: 結城謙三
109/489

天女教

ブックマーク、いいね! してくださった方

ありがとうございます m(_ _)m

鳴海城 北曲輪·風組教室

「はい、今日のそろばん教室はここまで 明日も同じ時間に、この教室で九九の勉強をします遅れないように それと5歳から13歳までの子供達と保護者の方が居れば残ってもらえるだろうか?」

算術の教室に残った6人の子供達と、その保護者

「では、一人ずつこの石を握って貰えるだろうか。。。権蔵 お前からな」

6人の中で最も年長の男の子に殺生石の欠片を握らせる 山県昌満

無反応。。。2人目。。。3人目。。。4人目。。。5人目と殺生石に反応は無く

最後の1人、もっとも年少の女の子に殺生石を握らせる 

閉じられたか細い指のすきまから、ぼーっと桃色の光を発する殺生石

「お〜 千代じゃったな 今日は、母上と一緒か?」

「いえ 奉公人のトメと来ております」見た目よりも、大人びた物言いをする

「そうか 千代は、城下の酒問屋の娘じゃったな 年はいくつになる?」

「はい 父上は酒問屋“大谷屋”を営んでおります 千代は、8歳になりました」

「そうか 千代お前には、特別な才能があるようだ 明日も必ず来るのだぞ」

「はい 先生の授業は欠かさずに出席するように父上から言われておりますので」

「ふむ そうか、また明日な」 奉公人のトメと共に教室を後にする千代


鳴海城 大食堂

「天女様、こちらに居られましたか」

「久しぶりですね 昌満殿も食事ですか?」

「いえ 授業が終わりまして、天女様を探しておりました」

「それは、お疲れさまでした 昌満殿の授業は、解りやすいと評判ですよ お雪が申していました」

「ありがとうございます 私は父·昌景のように武の才が無く、子供の頃より勉学に励んでおりましたので

このようにお役に立てて本望にございます

それよりも、今日だけで30人ほどの子供達に石を握らせたのですが

この石が光る少女が1人居りました」

「本当ですか? それは何色に光りましたでしょう?」

「桃色に光りましたが。。。」

「この石には、ブルートの鑑定魔法が込められており、色によって属性が解るのです」

手を伸ばし、殺生石をエヴァが受け取ると眩いばかりの銀色の光が溢れる

「おおー」あまりの光量に目を覆う 昌満

「その少女は、神聖魔法の素質があるようですね

ご両親に会わなければなりませんね

明日にでも同行していただけますか?」



鳴海城から徒歩20分ほどにある“大谷屋”の暖簾を潜る

「いらっしゃいませ これは、山県先生! ようこそいらっしゃいました。。。まさか! 天女様!?

このような汚い所に あわわわっ あ、貴方!!!

天女様が〜〜!!」

千代の母親のお月が腰を抜かしながら、出迎える

「なんだお前は、店先で大きな声を出して お客様に失礼だろう てってってっ天女様!! あわわわわわっ

はっ早く 奥にお通ししろ」

「腰が抜けてしまって。。。」

「わしもだ。。。」


「見苦しいところをお見せしてしまい 申し訳ございません おいお前 お茶を」

「はっはい 粗茶ですが」 カタカタカタカタカタッ

震える手で お茶を注ぎ急須が湯呑に当たる

「落ち着かれよ 今日は天女様より、その方等に頼みがあって参った」

「はい どのような事でも天女様の意のままに」

深く深く平伏する2人

「実は、ご息女の千代ちゃんに私と同じような素質があることが解りました」

「へっ!? 天女様と同じ。。。へっ!?」

「はい そこで千代ちゃんを私達に預けて頂きたいのです 預けると言っても近くですから毎朝迎えの者を寄越しますので 夕方まで学問、法術、体術を修めて貰うことになります」

「はい 何卒宜しくお願いします」

さらに深く平伏する2人

「えっと。。。そんなに簡単に決めて良いのですか? 将来、危険な戦場に従軍することになるのですよ」

「千代は、私共が子を諦めかけていた時に、ようやく授かった。。。それはもう目に入れても痛くないほどの愛情を注ぎ育てた娘です

しかし昨年から原因不明の発熱と頭痛に悩まされるようになり、床に伏しがちになりまして医者にも看せましたが、原因が解らず 日に日に痩せていく娘を見守るよりありませんでした

藁にもすがる思いで評判になっておりました天女堂にて天女様の奇跡に触れさせて頂き 嘘のように元気になったのです ですから天女様に救われた命

天女様の。。。この国のお役に立つのでしたら

これほどの誉れはございません」

「なるほど 日曜日に来られていたのですか。。。」

「はい毎週欠かさず 一族総出で通わせて頂いております」

「今度、歌でも披露しますかね。。。? どうでしょうか?」

「お〜それはもう信者一同、喜ばれると思います!!」

「信者!?」









ちょっとでも続きが気になる〜とか思っていただけた方

いいね! ブックマークお願いしますm(_ _)m

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ