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戦国魔法奇譚  作者: 結城謙三
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学校を作ろう

早朝より京の市中いたる所に立てられた、立て札

〈本日、昼過ぎより丸太町周辺 及び二条城跡にて再建工事を行う 地鳴りが起こるが地震では無いので取乱さぬように 尚、5000戸の住居を建設予定である 入居を希望する者は、京都東御役所まで〉

立て札を見た人々が何事が起こるのかと遠巻きにして見物している


「ルイ殿、久しぶりですな。。。まさか京の町がこのような事になり、本能寺までが焼け野原になるとは。。。本当に信長様は、お亡くなりになったのでしょうか?」

羽柴秀吉が呆然とした様子で聞いてくる

「ああ残念だが、この焼けた範囲に居たもので助かった者はいないんだ 岐阜城までもが

燃やされて織田は、重臣の殆どを失ったようだな」

「場合によっては、我ら兄弟もここに居たのかもしれなかったのですな。。。」

「鳴海城の時のように、この一帯をぱっぱと作るから またあの時のように頼むな!」

「ルイ殿 任してくだされ!!」


《よ〜しルイ、そろそろ始めるか 二条城の地面を掘り進めて、土砂をこっちまで飛ばしてくれ》

《わかった いくぞ!!》

目を閉じルイの体が紫色の光に覆われ、その光がルイを中心に渦を巻く 地面に両の手の平を翳す

土魔法により固まっていた地面の土が撹拌される

ごっごっごっごっごぉぉぉぉぉっと重い音が地中より鳴り響き まるで火山の噴火のように

地中にいた土砂が行き場を失ったかのように真上へと爆ぜる

地震のように地面が縦に揺れ、遠巻きに見守っていた観衆から驚きの声が挙がる

その吹き上がった土砂を風魔法に乗せ50メートルほど離れたブルートの元へと積み上げていく

その土砂を粘土質へと変化させ、幅6m厚さ30cmに均し東に向け、どんどんと伸ばしていく

2階建て長屋の土台となる部分だ きっちり40mまで伸ばすと間口4m奥行き6mの長屋住居10軒分の土台が出来上がる 

3mの通りを挟んで、その土台と平行にもう一本の土台へと取り掛かる ブルート

完成した土台に羽柴秀吉土木部隊、改め[羽柴組]が群がり排水用の竹を加工した管を埋めていく

「そっちの端、もう2度傾斜をつけるぞ!」

「おい! そこの継ぎ目、もう少し粘土で補強しておけ!!」

元兵士とは思えない練度で工程を進めていく 羽柴組


500戸分の土台が出来上がった所で、ルイとブルートの魔力が残り僅かとなり休憩となる

この異様なまでの土木作業を見守っていた観衆から

お茶やお菓子が差し入れられ 羽柴組の面々が汗を拭う

「戦でなく、こんな作業で汗を流すのも良いもんだな〜 お茶と甘味が沁み渡るな」

「んだな〜 オラたちが民から感謝されるなんて、初めての事かもしんねぇ」


これから連日、常軌を逸した土木作業を見るために

大勢の民衆が押し掛ける事となり

ルイやブルートだけでなく、羽柴組の名が広く知れ渡ることとなり 土木建築の職人集団として日の本一

となるのは、もう少し先の話



鳴海城 北曲輪

毎日、朝9時から夕方6時まで北曲輪の一角が城下町

及び近隣の町村の民に開放され 無料で食事が提供されている 

その食材はというと、併設された天女堂にて毎週日曜日に催されている、天女の奇跡に触れた者達からの寄付で賄われていた

さらに老若男女を問わず 読み書き、算術を教える

教室も毎日開かれており

付近の住民からは、鳴海城でなく天女城といつからか呼ばれるようになっていた


「天女様、お久しぶりで御座います」

井伊直虎、直政親子が頭を下げる

「はい お久しぶりです 遠い所を来ていただき

ありがとうございます」

「とんでも御座いません 天女様がお呼びとあれば

例え地の果てまでも駆けつける所存に御座います」

「今日来ていただいたのは、この国の子供たちに私達の法術を伝授する学舎を作ろうと計画をしていまして 直政殿にその素養があるのかを確かめたいと、お呼びしました」

「えっ!? 天女様の奇跡の術を直政にですか!?」

「はい その素質があればですが」





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