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戦国魔法奇譚  作者: 結城謙三
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上杉謙信

御嶽山

ピシッ! ピシッ! 岩棚に乗った、最も大きな卵に音を立てて亀裂が走る

“ダンジョンから産まれ出た己が、あと数時間で親に。。。逃げ惑う獲物を狩る以上の

喜びを己が持つ事になるなどとは、想像もしていなかった。。。いや想像するという知性を持ち合わせてはいなかった”

ぶるっと背中を震わせるベヒーモス ぐるりと首を巡らせ火口を仰ぎ見る

“それも己の中へと入った赤い霧の影響だろう 今は己の奥深くで息を潜めてはいるが

先日のように。。。元の宿主を滅するという抑えがたい衝動となり己の精神に干渉してくる 抗うことは出来なくはないだろう しかしその衝動に身を委ね欲求に応える事が、得難い快感をもたらした 次に奴が己に求める事は。。。

そうか、この世界で最強であれば良いのだな 己を脅かすものをすべて排除し 己の一族でこの世界を恐怖に染めれば”



京の都 丸田町付近

「見事なまでの焼け野原だな。。。俺たちがこの世界に来たせいで」

「ルイ 今は、それは言わないでおきましょう

この一帯を再建して、焼け出された人達の帰る場所を作らねばなりません では、このようにお願いしますね」

数枚の図面が書かれた紙をルイに手渡す エヴァ

「これを俺とブルートの2人で作れと。。。!?」

「ルイ あれをご覧なさい」

鴨川の河原に掘っ立て小屋が延々と続き、食事の支度をしているのだろうか、頼りない煙が数本上がっている

「2階建て住宅に上下水道完備。。。下水処理場まで作れと、通りには石畳に殺生石に魔力を通して街灯を設置 表通りには、商店街か。。。」

図面の紙を捲り、次の頁を見ると

「二条城再建。。。地上3階建てに地下避難所って!? こんなに巨大な物を地下に作れと!?」

「ルイ あれをご覧なさい」

本能寺跡に延々と続く墓標 家族を亡くした遺族が

木切れや石塔など故人への思いを込め 粗末ながらも

花や甘味などを供え 仮の墓標とし手を合わせるものが見える

「避難所があれば、救える命も有ったでしょう 地下から採取した土で建物も作れるでしょうし」

「エヴァの言うとおりだな やるかルイ」

「ブルート これを1ヶ月でやれって書いてあるぞ」

「羽柴秀吉殿の部隊500名が間もなく到着しますので鳴海城再建のときのように色々と手伝って貰ってください、お願いしますね 私とアランは鳴海城に戻らねばなりませんので」

立ち入りを禁止された区域にいるエヴァ達に近づいてくる浅井長政とお市の方

「天女様、信玄公にお聞きしたのですが 天女様方の法術を伝授する子供達を鳴海城に集められているとか」

「これは、長政殿とお市様 そうです、そのために明日にも一旦鳴海城に戻ろうと思っています」

「それでしたらお願いがあります 我が嫡男の満腹丸とお市との長女である茶々に、是非とも天女様方の法術を伝授しては頂けないでしょうか?」

「その資質があれば歓迎しますが、長く辛い試練になりますよ?」

「それは覚悟の上です 将来の日の本の守護のために我々の子供達が役に立つのでしたら 本望です

今は、小谷城に居りますので早速使いを出し 鳴海城へと向かわせます」

「天女様、私からも何卒お願いします」

頭を下げる お市の方

「わかりました お二人の子供でしたら きっと将来この国を導いてくれることでしょう それと、小谷城と言いますと鮒寿しですね?」

「心得ております 一緒に持たせますので」

「なんだか催促したようで。。。」

「エヴァ、岡崎城は?」

「味噌田楽!」

「刈谷城」

「きしめん!」

「そういう覚え方ね」

「ルイ あれをご覧なさい」

「それは、もういいから」



越後国 春日山城

朝廷よりの書状を受け取った 上杉謙信

「正親町天皇は正気であられるのか!? 武田信玄めを征夷大将軍だと!!」

書状を握りしめ 怒気に顔を歪ませる 上杉謙信









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