殺生石
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「ルイ! 起きろ!! 起きてくれ!!!」
「うん? 朝飯か??」
「ルイ、聞きたいことがある」
「ブルート。。。東北から2日間、不眠不休で走って来たんだ。。。寝かせてくれ〜」
「そうだったな、すまない 1つだけ教えてくれ
殺生石は、空間収納にどのくらいあるんだ?」
「そうだな。。。でっかいぞ全部で1000Kgは余裕であるな」
「そんなにか! ありがとう昼まで寝てくれ」
正親町天皇·朝廷は、火竜という高速で飛行が可能な竜種が現れた事
その火竜による攻撃を受け、京の町が未曾有の被害を被った事
その攻撃により将軍·足利義昭とその重臣達 並びに尾張国主·織田信長とその重臣達が
死亡した事を正式に公表し
それと同時に浅井長政を京の守護職に武田信玄を征夷大将軍並びに源氏長者に任命した事を 全国の諸大名に通達した事を明らかにした
それに伴い尾張と美濃の織田領は、武田家の預かりとなり朝廷の名において、一切の侵略を禁じた
それを聞いた京の民は、喪に服しながらも
武田、浅井を歓迎する世評が高まり
大惨事の直後にしては、人々の顔は明るい
それと同時に朝廷の書状を持った早馬が京から諸大名に向け四方に散っていく
下鴨神社 葵生殿
岐阜城より戻った 馬場信春、山県昌景
「お館様、おめでとうございます この馬場信春
もういつ死んでも、悔いはありませぬ がっはっは」
泣き笑いの馬場信春
「ふむ 祝詞は、喪が明けてからじゃな。。。まだ死ぬでないぞ、まだまだ仕事は残っておる で? 岐阜城の様子は、どうであった?」
「はっ 我々が駆けつけたときから、丸1日経っても鎮火せず救出活動は困難を極めましたが、なんとか城下も落ち着きを取り戻した様子です
岐阜城内は壊滅、生存者の確認は出来ておりません」
「ふむ 山県よご苦労であった 聞いた通り織田領の管理を朝廷より任されておる 幸隆と相談の上、人材を送らねばならん 民の治安を第一に兵を募り混乱のないよう頼むぞ」
「お館様、織田信長殿の嫡男·信忠殿ですが信長殿の叔父にあたる守山城主·織田信次殿の所に身を寄せているそうです」
「おお そうか無事であったか それは僥倖であったな早速使いをだし、今後の事を話さねばならぬな 幸隆よ任せたぞ」
「はっ それと織田の重臣である前田利家殿も療養中で無事だったそうで、京に向かっているとの事です」
「ふむ 引き続き安否の確認の方を頼んだぞ 鳴海城に鳩を飛ばし羽柴兄弟にも京に上るように伝えよ
再建、再興は奴等の得意分野であるからな 働いてもらおう」
そこに従者の若者がエヴァの言伝を告げる
「恐れながら、天女様より伝言に御座います
新しい武器の実験を行う故 お時間があれば、矢場まで起こし願いたいとの事に御座います」
「そうか、それは行かねばならぬな ご苦労であった」
下鴨神社 矢場
両脇を檜の林に囲まれ、白石が敷かれた長さ約60mのよく整備された矢場に、主だった者たちが集る
「昨日ルイが持ち帰りました この殺生石の欠片なのですが、入手した経緯は省きますが
この石には、魔力を封じ込める性質がある事がわかりました これを鏃に用い
魔力を込め弓で射ると、どのような威力を発揮するのかを見ていただきたいと思います」
ブルートが殺生石の欠片から作った鏃を着けた矢を掲げる
「よくわかりませんが、それは楽しみですな!!がっはっは」
「それでは、馬場殿に弓を射って頂きましょう
弓は通常の物です 馬場殿にも一切の加護を授けていません 鏃にのみ風属性2、雷属性2,火属性6の魔力を封じています」
「益々よくわからんが、あの岩を狙えばよいのか?」
40mほど先に人の身の丈ほどの大岩を用意して、その四方を障壁で囲ってある
「あれなら、目を瞑っても当たるが 射って良いのか?」
「はい お願いします」
弓を引き絞る 馬場信春 呼吸に合わせ引き絞った弦を解き放つ 放物線を描くことなく一直線に大岩へと吸い込まれる
ドッガアアアァァァァァンンンンンンン!!!!!!!!
小さな破片となり、四方へと砕け散る大岩
「へっ!?」 「な。。。何が起こったのじゃ!?」
「また、とんでもないものを ハッハッハッハッ」