#1 「LEGEND BENNING!!」①
「!?!?!?」
強く照る春の日差しと、青く生い茂る草花と土の感触に、翼は叩き起こされた。
翼は直ぐにここが異世界であることを察した。
翼は旅行が好きだから分かる、辺りの自然の様子が地球の物と「違う」
何が違うかと言われれば上手く説明できないのだが、花弁の付き方、色合い、枝の別れ方の、何かが異なっていた。
こうゆうのは植物学者ならうまく説明できるのだろうか...
あるものを見つけた。
そこで紫色のバッタ的な物をついばむ小鳥は、知っているものより模様が複雑になっていたが、「雀」の様に見える。
ほぼ同じ生物がいるということは、パラレルワールドなんだろうか、それとも未発見の「ガラパゴス諸島」のような島にでも誘拐されたのか...
ここにくる直前、翼はトラックにひたすら追いかけ回され、挙句跳ねられ、即死した。
にもかかわらず鳥の考察なぞしてる心の余裕があるのは
あまりにも目まぐるしい展開であったため、一周回って冷静になっているのもある。
しかし何よりも、翼すべてが未知であるこの世界にワクワクしていた。
「よし、まずは水場でも探すとするか...?ないと3日で死ぬってゆうからなぁ」
「街でも見えたら一番ありがたいのだがなぁ...まさかただっぴろい世界に僕一人ってのは無いだろうか?」
ガサッ!
物音がした方を見ると...なんと人間がいた!息絶えたイノシシ的なの担いだ少女だ。
「あの~、あの~!!、お~い!!!お~い!!!お~~~~い!!!!!!!!」
叫んで少女を呼び止めようとするが、全然気づいてくれない。
追いかけようにも狩りなんてやってるだけあって、早い。
現代人の翼には到底追いつけない、イノシシを担いでいなかったらとうに見失っていただろう
少女は川を岩を使ってひょいひょいと渡っていく。
今更水場が見つかってもぜんぜんうれしくない...
いや、やっぱり嬉しかった。
川は崖へと流れていき、下にはヨーロッパ的な街が広がっていた。
「サバイバル番組で聞いたことあるけど、川を辿っていくと人間がいるってのは本当なんだな~」
はじまるよ~