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解き放てない⁉︎入学式6話


午後の授業はいわゆる勉強とかではなく、この学園生活、つまりこの島での生活についての説明があった。


まず、この島には4つの高校が存在する。異能の発展及び自己の成長を促すために、たびたび各学園での催しが存在し、今後3年間長い付き合いになる。

他にこの島には生活に必要な生活用品を買うところやちょっとした娯楽施設も存在し、主にセンター街にある。

この島での買い物は自由だが、仕送りが最大月3万と決まっており、それ以上は家庭環境がどうあれ、認められていない。

また仕送り等が困難な家庭も考慮し、生活必需品や学園内での食事は無料で支給される。

全ての生徒は寮生活を強いられ、1人1部屋与えられる。寮の形態は様々だが、学園単位で分けられている。

四校の寮はクラス単位で分けられており、俺のクラスは33名は同じ寮に住んでいる。

また門限が決まっており、夜の11時から朝の4時までの外出は禁じられているとのことだった。


その他に具体的な場所の説明や、部屋の使い方など、細々した説明をしていると、午後3時になっていた。


藤宮教師より、本日の授業はここまでとのことで初日の学校の授業は終わった。

終わるや否や、声をかける間も無く、平等院はさっさと教室を出て行ってした。


さっそく生徒会にでも行ったのだろうか。

俺は特に用事はないが、できれば早めに寮へ帰りたい思いはあった。昨日から寮に来ているのだが、まだ荷物が段ボールに入ったままだ。


ただ、初日だ。帰りに少しクラスメイトと談笑したい思いもあった。

誰かから話しかけられるのでは?という淡い期待を胸に、ゆっくりゆっくり帰りの身支度を整える。


しかし、現実は甘くなくそんな行為も虚しく。

誰からも話しかけられなかった。

帰ろう。


帰りながら明日は自分から声をかけようと、心に決めた。まず、今日話せた平等院か頬月さんに。

頑張ろう。


昨日から住み始めた寮についた。

国家支援学園というだけあって、寮はとてもきれいでもうここに永住したいと思うくらい立派な建物だ。

一階に大きなロビーがあり、常にコンシェルジュさんが受付にいて、荷物の受け取りやその他ちょっとした雑用までやってくれるらしい。

とても頼もしい存在だ。ただ逆に少し監視されてる感じも否めない。


今日は別段用はないので、エレベーターにのり、自身の部屋の五階へと向かう。

自身の部屋のドアの前で、生徒手帳をにかざすと、ドアが開く。

ワンルームといえば、狭く聞こえるかもしれないが、一人暮らしには十分だ。家具は持参も可能だが、基本的に備え付けられており、俺は全て備え付けの家具で済ました。

ベット、冷蔵庫、洗濯機などの基本的なものはもちろんのこと、パソコンやゲーム機まであり、学園に勉強しに来ているのか、遊びに来ているのか、疑いたくなるくらい揃っている。


「段ボールを整理するか。」

大した量はないのだが、こういことはやるぞと心に決めないと、できないタチなのである。

30分ほどだろうか整理を終えると、急に眠たくなってベットへと倒れこむように寝転ぶ。

携帯を取り出し、時間を確認する。

4時半。少し寝よう。



どれくらい寝ただろうか。

いや、まだ眠たい、が


ピンポーン、ピンポーン、


何やら、インターホンが鳴っているようだ。

とりあえず、無視だな。

俺はまた眠りにつこうとするが、


ピンポーン、ピンポーン、ピンポーン、ピンポーン、ピンポーン、ピンポーン、ピンポーン


なんて礼儀知らずな人なのだろうか。

ピンポーンは2回までと習っていないのだろうか。

居留守を使う俺も人のことは言えないか。


俺は眠気まなこをこすりながら、玄関に向かい、ドアを開ける。


「こんばんわ、七海君。」

そこには平等院の姿があった。

まあこんなに礼儀知らずなやつは、平等院しか思い当たらなかったので、別段驚きはしない。


「こんばんわ、平等院さん。どうかした。」

「少し話がしたいのだけど。」

言葉だけ聞くとすごくワクワクしそうになるが、あまりにも平等院が普通に話すので、こちらも変な意識にはならない。

「だったらどっかに行くか、それともよかったら入るか?」

こう言う時、どうしたらいいかわからないので、とりあえず、平等院に聞いた。

「もう外は暗いし、今から出歩くつもりはないわ。あと少しだけど、パンを買ってきているわ。」

そう言うと、平等院は右手に持っていた紙袋を目の前に出す。

「そっか、じゃあよかったら入っていってよ。お茶ぐらいなら出すし。」

そういい、俺は平等院を招こうとする。

ただ平等院はなかなか入ろうとせず、少し緊張したようにしており、顔も強張っていた。

「どうかしたか。」

俺が不安になり聞くと、

「あなた、襲ったりしないでしょうね。」

「しねーよ!!なんで入学初日からそんなことしねーといけねーんだよ!!」

「初日じゃなかったら、襲ってるっていうの。」

「お前バカなんじゃねーの!!お前が外に行きたくないって言ったからだろうが!!」

「わかりました。入ればいいんでしょ。入れば。」

襲わないでよ。っとかいいつつ、平等院は俺の部屋に入り込んだ。


たぶんこいつは、バカなんだな。

他からの平等院に対する評価は知らないが、俺の中で、【平等院はバカ】で確定した。



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