表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/29

解き放てない⁉︎入学式3

前席の女子がこちらを見ている。


綺麗だ。可愛い。結婚したい。容姿に全て持っていかれそうだったが、俺は先ほどの自己紹介を思い出していた。

腐敗した生徒会の改革とか、国家支援学園高校のトップに立つとか。

(こいつとはあまり関わらない方がいいよな)


「平等院さんだよね。これから席が近い同士よろしくお願いします。」

俺は冷静に状況を判断した上で、当たり障りのないように話す。


「よろしく。七海君。」

平等院もそう言うが、俺の手を離す気がさらさらなさそうだ。顔に私の質問に答えなさいと書いてある。


「さっきの話だよな、別に俺は何者って言うほどではないよ。ただの田舎者だ。」


「そうは見えないわね。さっき私の自己紹介、異能の説明をした時、守神クラス、つまりA級異能力にみんな注目してたわ。ただ、貴方だけは別段興味なさそうにしていた。明らかに強者の振る舞いに思えたわ。

そして何よりも、あなたはこの学園から推薦を受けている。しかも無能力者。」


「あなた何者?」

あなた何者?の補足説明を平等院はしてくれた。

ニコニコしながら話してくれていればいいのだが、まるで容疑者への尋問のように、明らかに疑いの目を向けながら平等院は話す。


「平等院さん深読みしすぎ。俺あがり症だからさ、自分の自己紹介まで緊張して、他の人の自己紹介を聞けてなかっただけで、別にそんな強者の振る舞いなんてしてないよ。」

俺は出来るだけ愛想よく笑いながら話す。


「じゃあ推薦の件はどう説明するの?」

平等院は全く納得している様子ではなかった。


「そうだな。地方出身の生徒を確保したかったからとかかな。まあ一番高い可能性としては、手続きミスかな。」

俺は再度しらばっくれる。


平等院は俺をジト目で見ている。

全然俺の話を信用してくれてる様子はない。

しかし、何かわかったように頷き出した。

「今あなたと話してよくわかったわ。

あなたは異能を隠しているわね。それも大きな力を持った異能を。だから他人を見下す。嫌な人間ね。」

平等院はそう言うと、俺の返事を待たず、教壇の方へ顔を向ける。


名探偵平等院の手で俺の嘘は簡単にバレてしまった。しかもその後にすごい誤解をしてそうだ。

あまり関わりたくないとな思っていたが、あんまりにもあんまりだ。


でも仕方ない。向こうは確信を持てていないわけだし、俺が異能をもっている証拠もない。

疑うことはできても、そこまでだ。


大丈夫だ。

俺は本来の目的のトイレにでも行こうとしよう。俺の尿意が収まらない。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ