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運命の人1


「七海守??」

「そうだ。なかなかいい男だろ。」

私は父から渡されたお見合い写真のような大きな写真を見る。

そこには優しそうな好青年の写真が写っていた。


「身長173cm、体重62kg、学業、異術、異能ともに優秀も優秀。端整な顔立ちで、おばちゃんや年上の人からもウケは良さそうだ。」

父は、七海さんの中学の通信簿らしきものを見ながら話す。


「それで、どうだ?」

「なかなか良さそうな人じゃないかしら、少なくとも悪い人には見えないわね。まあ別に興味は無いけど。」


そう、私が言うと、何か父が涙ぐみ始める。

何か変なこと言った?

私は、「どうかした?」と心配しながら、聞くと、父は、涙を流しながら叫ぶ。



「父さんな。お前が母さんみたいに正統派ツンデレに育ってくれて大変嬉しいよ!!」

まさかの感動の涙だったみたいだ。


私は完全に無視をし、話を進める。


「で、この七海さんがどうかしたの?」

「出来たら、七海君と結婚してほしいんだ!!」


先ほどの写真は本当にお見合い写真だったらしい。


「あんた、バカなの!?どこの親が高校に入学する前から、お見合いを進めるバカがいるの!?」


「確かに言われるとそうだな。清華は女だから、結婚できるけど、七海君は男だし、18になるまで待つ必要があるな。少し早とちりしてしまったな。メンゴメンゴ。」


「今ほど、あんたの娘であることを後悔したことないわ。用事がないなら帰るわよ。」


私は部屋を出ようとすると、「お〜い、待ちなさい。」と声がかかる。

私はドアの前に立ち、呼んでいる父の方へ振り向く。


「まだなにかあるの?」


「清華、高校に入ってからも頑張ってくれるのはとてもありがたいし、親子冥利に尽きる。だがな、中学と違い、高校はまた一段とお前のやり方では難しいことも出てくるだろう。

その時にだ。この七海君に頼るといい。必ずやお前の力になってくれるはずだ。」


「父さん、七海さんとあったこともないんでしょ。なぜそこまで言い切れるの?」

父がなぜ、そこまで彼にこだわるのかわからない。



「それはきっと、運命だな。」

父はさも当然のように話す。



私は部屋を出て、オフィスビルを後にし、家に帰宅した。

父は仕事が忙しく、ほとんど家に帰ってこれない。小さい頃は無理してでも帰ってきてくれていたが、私から断った。

あんな父だが、立派に仕事をしており、日本の自衛隊の為の大きな役割を担っている。それを私は誇りに思うし、尊敬している。


だから私が、平等院家の為、父の為に、娘として出来ることは出来るだけやりたい。これは私の意思で、他の誰かから頼まれた事ではない。


私は、家のマンションのベランダから、父が働いているオフィスビルの最上階を眺める。



私も高校生活を、頑張らなくては。

そう思っていると、携帯にメールが入る。


父からだ。



清華へ


今日はありがとう。

高校生活くれぐれも無理をし過ぎないように、注意する事。お前はいつも頑張り過ぎるきらいがあるからな。天国にいる母さんもお前が苦しむ姿は望んでいないはずだ。

だから、出来るだけ高校生活を楽しんでほしい。

1人の父親として、清華のこれからの高校生活充実するように祈っている。


PS. 将来の旦那さんである七海君と同じクラスで席は隣にしておいたぞ!!しっかりアピールするように♡男はおっぱいに弱いぞ!!




あのバカ親!!

娘をなんだと思っているのよ。

ほんと最後の文章で全てが台無し。あいつはアホなのかしら。


だけど、気になるわね。

父にこれまで言わせる人物。


「七海守。」

一体どんな人なのかしら。




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