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ヘルブレス  作者: htsan
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再来のセルシその2

 「そろそろ着きます。足音を立てないように気をつけましょう」


 俺達がストーンゴーレムの狩場に着くと、セルシ達が狩場を占領して狩っていた。


 「オラ!雑魚戦士共!少しでもレベル上げてPFMとインビジくらい覚えろ。僕を楽させろ!!」


 セルシが怒号を飛ばしながらも片っ端からバーサクをかけている。案外面倒見がいいやつなのかもしれない。


 「つかよくMP枯れないな。もしかしてMAG200とかかも。俺の魔法セルシにあたんねーぞ」


 「だけど、あいつもキリトのMAGが低いことを知らない。高INTの魔法はできるだけ見せないようにしよう」


 「え・・・帰ろうかな俺・・・」


 「ほら、ぐだぐだしゃべらない。気づかれるわよ」


 「どうする?ハヤト達が来るのを待つか?」


 「そうですね。俺達だけで行ってやられたら元も子もないですし。一度下がってインビジブルの効果時間を更新しますか」


 「食らえ!そして死ね!!我が究極の暗黒魔法!ダークネスブリザァアアド!!!」


 一瞬俺とレイさんはわけがわからず止まってしまう。そしてすぐに事態を飲み込み、ストーンゴーレムの狩場を見ると、キリトの目の前にいくつもの巨大な氷柱で貫かれた死体が3体転がっていた。3人でゴーレムを狩っているところに奇襲でブリザードがきれいに決まったのだろう。


 「オオオオオオオオオオオオォオォイ!てめえ何やってんだボケェ!!!」


 すぐさまそれに気づいたセルシとその仲間達が気づきキリトの方へと向かう。


 「あの馬鹿・・・信じられない」


 「おお!すごいぞキリト!やるじゃねえか!」


 ミヨシさんが立ち上がって叫んだせいで俺達も敵に見つかる。


 「やるしかないですね。ハヤトさん達が辿り着くまでに時間を稼ぎましょう」


 「パララァアイ・・・」


 「PFM!」


 セルシがキリトにパラライズを詠唱する前に俺はすぐにキリトにPFMをかける。


 「キーーーーうぜえええええお前らクソ雑魚のくせに!いつも僕の邪魔しやがって!クソ!クソ!」


 セルシは頭を掻き毟る。


 続けて俺はキリトにインビジブルをかけ、キリトはこちらへと走って逃げてくる。逆にミヨシさんはキリトとすれ違い、敵に向かって走る。キリトは俺達と合流するなりミヨシさんにPFMとバーサクをかける。


「弓だ!弓を撃てエエェイ!!あのメイジを狙え!あいつは今PFMをかけたぞ!」

 

 セルシの声に反応したエルバインの戦士達があわてて弓を構えるが、こちらから一番近くにいた戦士にミヨシさんが辿り着き、斬りかかる。弓を持っていた戦士はミヨシさんの攻撃をとっさに弓で受けようとするが、あっさりと弓は折れ、ミヨシさんのフランベルジュのギザギザの刃が戦士の身体の中にめり込んでいく。フランベルジュの刃の曲線は、戦士の身体をするすると滑っていき、戦士の身体からはすさまじい量の血が噴出す。


 「う、うわ、うわああああああああああ」


 戦士は自分のあまりの出血に驚き悲鳴をあげる。下手にVITを振っているせいで、どう見ても即死の攻撃を受けてもすぐに死ぬことができないのだ。逆を言えば痛みさえ気にしなければそのまま自由に動く事も可能だと言う事だが。


 「ひ、ひいひぃ・・・ひい・・」


 しかしその戦士はうずくまり動こうとしない。そうだ。普通はこう言う反応だ。俺はむごい光景を見ながらも少しほっとしてしまう。


 「・・・」


 その場の誰もが沈黙した。あまりの光景に敵も味方も、斬った本人であるミヨシさんですら硬直してしまった。


 「・・・」


 少し経つと、斬られた戦士は静かになり、消えていった。出血ダメージが続いて死んだのだろう。


 「う、うわうわうわあああああああああああああああ」


 一斉にセルシの仲間の戦士達が逃げ出す。無理もない。この戦士が斬られる前にもブリザードで3人も無惨に殺されているところを見ているわけなのだから。彼らみたいな初心者にはキリトのMPがもう枯れている事なんて考えられないだろう。


 「ちょ、お前ら何してんだ!!!!何で僕を置いて逃げてる!!オイ!!!!戦え!!圧倒的にこっちの方が数が多いんだぞボケども!!ウォオオオイ!!!」


 「馬鹿野郎!やってられるか!あんな無茶苦茶な魔法に無茶苦茶な武器持ってるやつらと戦ったら命がいくつあっても足りねえ!」


 「馬鹿はてめーらだ!!!!!お前らもあいつらと同じレベルなんだから十分耐えられるんだよ!!痛みやら見せかけに惑わされるんじゃねえ雑魚共がァ!!!!その無駄に振ったVITで耐えられるって言ってんだよウォオオイ!!」


 セルシの言葉は虚しく、例の少女の戦士以外は全員逃げていってしまった。


 「な・・・なんかよくわかんないけど、形勢逆転ね。キリト」


 「わかってるよ」


 すぐにキリトはレイさんにバーサクをかける。


 「これで俺完全にMP0だからな。後はがんばれ」


 「ああ、座って回復しとけ」


 「イ、インビジボ・・・」


 あわててセルシはインビジブルを自分にかけようとするがレイさんの矢で止められる。


 「い、いいいイッテェエエエエエエエエエ!!」


 「バーサクかかってたらそれなりに痛いわよ」


 2発目の矢を撃とうと構えるレイさんの前に少女の戦士が現れる。


 「ふんぬ!」


 ミヨシさんが少女に斬りかかるが少女はひらりと避ける。レイさんの前まで来た少女に俺も斬りかかるがやはり当たらない。


 「死ね」


 少女はレイさんに斬りかかる。


 「当たんないわよ。あたしのDEX150よ」


 しかし少女のグレートソードは当たり前のようにレイさんの身体に食い込む。


 「え・・・」


 なんだこいつ。グレートソード持ちと言う事はSTRは104で更にレイさんに攻撃が当たると言う事はDEXは150以上。つまりVITにほぼ振ってないって事か。頭おかしいんじゃないのか。


 斬られたレイさんはフランベルジュに斬られた程の傷は負っていないが、斬られた勢いで吹っ飛ぶ。


 「くそ」


 俺とミヨシさんが再び少女に斬りかかるがやはり全く当たらない。ここまで攻撃が当たらないとなると、200近くまで上げている可能性まである。


 「オーシ!いいぞミクル!!やれ!僕を守れ!」


 セルシは叫びながらミクルと呼ばれる少女にバーサクとPFMをかける。


 くそ・・・。キリトさえ動けたら魔法で一発で倒せるのに・・・。


 「ミヨシさんはセルシを追いかけて!」


 「おう!」


 「インビジブル!」


 「ディテクトゥ!インビジボゥ!!」


 レイさんにインビジブルをかけるがすぐにセルシに解除される。ミクルは吹っ飛ばされたレイさんに向かってまっすぐ走る。


 「くっ」


 レイさんは何とか矢を少女の足に向かって撃つがひらりと避けられる。


 「馬鹿。当たんないよそんなの」


 「いいのよこれで」


 「はぁ?」


 「じゃあ僕は逃げるぞ!お前も適当なところで切り上げて来い!インビジブ・・・」


 バシュン!と言う音でセルシの詠唱は止められる。


 「ぬおおおおおおおおお!」


 追いついたミヨシさんがセルシに斬りかかる。


 「うああああああああああヤダアアアアアアアアアアそれで斬るのだけはやめてくれェエエエエエエエエ」


 先程自分の仲間に言っていた言葉を忘れたのかセルシは無様な叫びを上げる。


 「ふん!」


 しかしミヨシさんは躊躇なくセルシに斬りかかり、波打つフランベルジュの刃がセルシの身体に食い込んで行く。


 「アアアアアアアアアアアアチッキショォオオオオオオオオオ!イッデェエエエエエ!こんなで僕を斬っていい訳ねええダロボケェエエエエエエエ!ギャアアアアアアアアアアアアアア!」


 セルシはVITが低いからか、断末魔をあげながら即死した。


 「また!またやった!!」


 ミクルが突然叫ぶ。


 「あんた達許さない。全員殺す」


 そう言うとレイさんに再び斬りかかる。


 「ちょっと待って」


 「!?」


 少女はレイさんの呼びかけに素直に応じ、手を止める。


 「何であんなのをそんなに慕っているの?どう考えてもキモいヲタク野郎だし、あんた達の事も捨て駒にしか使ってないじゃない」


 「あんた達に彼の何がわかるの?何もなければあんなに大勢の人が彼についていくわけないでしょ」


 「いや、さっきその仲間達セルシを見捨てて逃げてたぞ」


 「うるさい!うるさいうるさいうるさい!殺す!」


 そう言うとミクルは再びレイさんに斬りかかる。


 ああ、こりゃさすがに全滅か。レイさんも諦め、目を閉じる。


 「ブリ!ザァアアアアアアアアド!!」


 声のほうを見るとキリトが立ち上がって魔法を詠唱していた。


 ミクルとレイさんの頭上に大量の氷柱が落ちる。


 「ふぅ。なんとか回復が間に合ったぜ」


 「お、オオオオオオオオイ!お前頼もしすぎんだろ!!!」


 俺は興奮し、思わず叫ぶ。


 「なんだお前、セルシみたいなしゃべり方すんじゃねえ。キモ」


 「くっ、っそ・・・」


 ミクルの方を見ると、ミクルは氷柱に貫かれながらも立ち上がる。ブリザードはPFMを貫通する魔法だが、ダメージを軽減する事は可能なようだ。しかし痛みからか、ブリザードの付加効果による鈍足からか、ミクルの動きは鈍っていた。


 「早くとどめさせ童貞」


 「わかってるよ」


 俺は構えてミクルの首に斬りかかる。


 「うっ・・・」


 だが俺はぎりぎりで躊躇してしまい、俺のグレートソードはミクルの身体を軽くかする。


 「おい、何やってんだ」


 「ふん!」


 キリトの声と同時にミヨシさんがミクルの身体を思い切りフランベルジュで斬る。

 

 ミクルは大量の血しぶきを上げながらこちらを恨めしそうに見て死ぬ。


 「す、すごいですね・・・ミヨシさん」


 「馬鹿野郎!ちまちま傷を増やすよりもさっさと止めをさしてやった方が楽に決まってるだろう!」


 「どうしようもねえなこの童貞は」


 「すみません・・・」


 「・・・」


 レイさんは何かを言いたさそうにこちらを見たがすぐに笑顔になった。


 「まあ、いいわ。とにかくやったわね。あたし達だけでやったのよ」


 「そうだな。ところでハヤト達はどうしたんだ?」


 「あ、すっかり忘れてた。マジで口だけで使えないわねあいつら」


 「ごめんなさい・・・」


 「あんたに言ってないわよ。いつまでもうじうじしないの」


 「はい・・・。道中で何かあったのかもしれませんし、一度戻って見ますか」


メンバーのEKC・・・アキラ-2ミヨシ1レイ-2キリト2

 

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