目が覚めるとそこは
トレーボルで死んだフリュー・シンであったがなぜかしばらくしたら意識を取り戻し始めていた
(ここはどこだ?)
そう思い、辺りを見渡すとそこには今まで見たこのないものが広がっていた
小さな箱の中で動いている小人、ランタンやロウソクとは違う初めて見る照明器具
そして小さな箱を見ている黒髪の二人
なぜかシンにはこの二人が両親だとすぐにわかった。まるで今までずっと一緒に過ごしてきたような不思議な感覚があったのだ
だがそれだとおかしいのだ。自分の両親は自分と同じ青色の髪だったはずだ。目の前の二人のように黒髪ではなかった
そう思うのだが、自分の中の思いはこの二人のことを両親だと認識している。
「おやシン。起こしてしまったかい?」
そんなシンに気が付いたのか父親と思わしき人が声をかけてきた
「今日はあんなに遊んだんだ。まだ疲れが残っているだろう寝てていいんだよ」
「うん。わかった。もう一回寝るね」
返事をしながら気づく可笑しさ、まるで自分の声なのにそう聞こえないのだ。そう例えるなら声変わりのしていない子供のような声であった。それに普通に返事をしたが自分の口調とは違う口調だった。意識せずに返事をしたためいつも通りの口調が出てしまったような感覚だった。
可笑しいと思いながらも襲い来る睡魔に勝てずシンはもう一度寝息を立て始めた