第7話 マジョリティとマイノリティ
門番B
『さっきも言ったが女はいつまでも叶わない夢をみてるような男よりも生活力のある男を選ぶもんだ。いい加減、叶うはずもない夢など捨てて地に足、つけた方がいいぞ!地に足を!』
門番A
『なぜ、お前にそんなことを言われなければならんのだ?俺は書きたいから書く、それだけだ。それに俺は自分のやりたいことにようやくハッキリと気がついたのだ。今までは鳥カゴの中で眠らされていたような日々だった。もう、たくさんだ!』
門番B
『もう1度言う。いい歳してふわふわするのはもう、やめろ?王や国に逆らうような生き方をすると痛い目に遭うぞ?必ずな。』
門番A
『何か勘違いしてないか?恋愛、結婚、食べるための労働、私にとってはそれがいちばんの関心事ではないのだ、違う人もいる。
………。女も俺の人生にとっては大した重要性、大した意味を持たない。俺にとって戯曲を書くことが最大の生き甲斐であり、それが俺にとって何よりの幸福なのだ。
例え貧しくとも孤独でいようとも好きなことに没頭していたいのだ。
俺は無名のままでも自分のやりたいことを生涯それを貫いて生きた人間を何人も知っている。金のためではない何かをな。お前のような生き方も、お前にとってはいいかもしれないが、そうでない人間もいるということだ、押しつけないでくれ、迷惑だ。』
門番B
『ふん、強がりを言いやがって。
今に泣きをみるぞ?』
門番A
『別に構わんさ。本望だ。お前は自分の顔を鏡でみたことがあるか?毎日つまらなさそうな、疲れた顔をしているぞ?毎日毎日、当たり障りのない会話がそんなに楽しいか?』
門番B
『ふん!変態野郎め!お前とは金輪際、組みたくないねぇ。』