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帝国にて


 四大大国の一つ、帝国。


 帝国は、他の三国……霊王国、竜王国、獣王国と比べ、国民のほとんどを人間が占めている。


 人間は亜人と比べ魔法を使える者が圧倒的に少なく、竜族のように強靱な肉体を持つわけでもない。

 なので四大大国に数えられてはいても、実際に他の三国と戦いとなってしまったら帝国は手も足も出ないだろう。


 それでも、人間の国の中では圧倒的な権限と国力を誇ることは確かだ。

 帝国の周辺は人間の国が多いので、自然と人間という種族の代表という立ち位置になってしまった。



 そもそも帝国自体が、たくさんの国々の集合体のようなものだった。

 その昔は小さな国々が乱立しており、覇権を争って戦が絶えなかった時代があったのだ。

 そんな国々を少しずつ吸収していき、今の強大な帝国という国になった。



 現在帝国を治めるのは女帝アデュラリア。

 竜王国のように力で王が決められるわけではなく、血によって継承される。

 アデュラリアは一人っ子だった故、特に継承争いが起こることもなくその地位に就いた。

 しかし、アデュラリアが皇帝となったのはまだ十代だった。あまりに若すぎる皇帝を助けたのは、婚約者であり、後に王配となったコランダムだ。


 結婚して数十年が経ってもなお仲の良いおしどり夫婦の二人には、四人の皇子がいる。

 第一皇子のロイ、第二皇子のマリアノ、第三皇子のサマダン、第四皇子のオリオ。


 大きく年の離れていない皇子達は、特別仲が良いわけでも悪いわけでもない普通の兄弟だった。


 その誰もが優秀な皇子達だったが、アデュラリアがまだ四十代と若いことから、未だ後継者を指名していない。

 それ故か、水面下では貴族による後継者争いが静かに始まっていた。

 アデュラリアがまだ心身共に元気なので派手に動かないのがせめてもの救いだが、アデュラリアにとって今一番頭の痛い問題だった。


 特に第一皇子のロイと第三皇子のサマダンが率先して動いているので余計に悪い。

 これ以上の混乱をさけるためにも、そろそろ後継者を指名すべきかと、コランダムや側近達と話し合いを始めたそんな頃だった。


 アデュラリアが突然病に伏したのだ。


 最初こそすぐに治ると楽観していたが、病状はどんどん悪化していくばかり。

 医師に診せても原因が分からず、とうとうベッドから起き上がれなくなってしまった。

 どんな薬を試しても回復しなかったため、コランダムたち側近は最後の手段として、竜王に使いを出すことにした。


 竜の血で作った竜族のみが使える特別な薬を求めて。

 その間もアデュラリアの状態は悪くなる一方で、王配であるコランダムは気が気ではなかった。








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― 新着の感想 ―
[一言] 久しぶりの投稿ありがとうございます。大好きな作品なので、続きが読めて幸せです。
[良い点] 5章を開始いただき、ありがとうございます!!! [一言] こちらも大好きなお話なので、更新に気づいて早速感想を記載しました。 のんびり更新を待ちますので、無理のない範囲で更新いただけたら…
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