4話
随分間が開いてしまいましたが…どうぞ♪
「ったく面倒くせぇ事になったぜ。…大体京子の奴も何で厄介な仕事だけ俺に回すんだよ!!俺はもっと…こう楽な仕事で小金を稼ぎつつ穏やかで平和な生活を送りたいのに…」
若者らしくない、これから未来の夢と希望を一瞬でぶち壊すようなネガティブ思考丸出しの発言をする雷。
「無理だな。お前みたいな動乱の星の下で生まれたような奴がそんな安穏とした人生送れるワケねぇだろ。」
雷のジジクサい発言に冷静に突っ込みを入れるオッさん。
「…マスター、そりゃあれか?…俺がトラブルメーカーって事か?」
「ガハハ!!坊主…違うって言うのか?笑わせるんじゃねぇよ。ガハハ。」
豪快に笑い飛ばすオヤジ、雷の仕事仲間の溜まり場であり情報収集の場であるバー
「ランブル」のマスターだ。それと同時に情報屋でもある。
バーのマスターという職業の性質で情報も入る…というのはマスター談。実際の所はどう情報を集めているのかはわからないのだ。
「…で早速なんだけどよ。あんたなら何かおいしい情報掴んでねぇか?」
雷は辺りに他に人がいない事を確認しつつ話を切り出す。
「ほう…何の話だ?」
ニヤけながらシラを切るマスター。
「…ちっ、金なら払うよ。何ならいつもの倍出してもイイ。知ってる事全部教えてくれ。例の誘拐事件について…アンタならこれだけ言えば判るだろ?」
「毎度ー…三日前から来栖町の山奥の廃工場付近に人の出入りがあるらしい。おめぇの目的の姫さんも多分そこだぜ。取り敢えず行くなら気をつけて行けよ。誘拐犯の奴ら相当な使い手みた…」
バンッ!!と金をカウンターに叩き付け、
「サンキュー、マスター!!当たってみるよ。」
店を後にする雷。
「…ったく、人の忠告は最後まで聞いてけよ。」
落ち着きのない雷にマスターの助言は届く事は無かったらしい。