3話
「貴方にやって欲しいのは、ある人物の捜索及びその人物の保護よ。名前は、神童桜。写真は…これよ。」
そう言って京子が差し出して来た写真には、白のワンピースを来た少女が写っていた。
ショートボブの黒髪に天使の様な笑顔映える。
「歳は17歳。偶然だけど雷と同い年みたいね。…彼女、一週間前にある組織に攫われたそうよ。それで、その両親に身代金の要求が来たらしいの。今回の依頼主はその両親ね。
潜伏先はまだわからないわ。その捜索も以来の内なの。此所までで質問はある?」
雷は怪訝そうに、
「…ちょっと待て。…神童って…あの神童なのか?」
京子は笑みを浮かべ、
「えぇ、貴方の推測している神童よ。」
「…マジかよ。」
雷が驚くのも無理は無いのだ。
何故なら神童とは、古来より日本を妖魔より守って来た由緒正しきシャーマン(巫女)の一族だからだ。
神童一族の前では一般の一流術者は霞んで見えるとさえ言わしめた超一流シャーマンの一族である。「…あの神童家の…って誘拐って…仮にもあのバケモンの一族に名を連ねてる奴なんだろ?そいつを誘拐できる組織ってどんな組織だよ。」
雷がもっともな疑問を投げ掛けると、
「…それがどこの組織なのかわからないのよ。…私もそれについては情報を集めて見るわ。とにかく重要な仕事よ。きっちりやって頂戴。運がよければ神童に覚えて貰えるかもしれないしね。」
「…俺まだ受けるとは言ってな
「断る気は無いわよねぇ?」。」
…この時雷は言葉を遮って恐怖の言霊を吐く京子から死の匂いを感じ取ったという。
「まさか。僕が京子様の仕事を断る訳ないじゃないですか〜…。」
口調は元気いっぱいだったが目は泣いていた。