表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
雷の誓約  作者: KK
2/5

1話

雷は不機嫌だった。

本来なら未だに惰眠を貪っていたであろう時間に叩き起こされたからである。

…が会社や学校に行くなら確実に遅刻する時間だったりしたのだから文句は普通は言えなかったりする。

「…あぁ、京子の奴!!こんな朝っぱらから電話してくんなよな!!」

…彼には関係なかった様だ。

彼は昨夜留守電を設定し忘れた己の愚行を呪っていた。

…つくづくだらしない男である。彼は今朝の電話の内容を思い出していた。

………………

「誰?」

雷が不機嫌そうに電話に出ると、

「私よ。」

相手も随分無愛想だったりした。

「和田志さんですか?いやぁ、多分番号間違えてますよ。じゃあ、そういうことで。失礼します。」

軽口で相手を誤魔化しつつ、電話に出てしまったことを壮絶に後悔し、ちゃっかりと電話を切ろうとする雷。

「待ちなさい。殺すわよ?」

…誤魔化せるはずもなかった、というか事態を悪化させただけの様だ。

誰もが聞いてしまったことを後悔するような絶対零度の言霊を吐いたのは、霧島京子(きりしまきょうこ)。一応一流の陰陽師だったりする。

普段は小さな喫茶店を経営しているオーナーだ。

セミロングの艶やかな黒髪が映える知的な美女である。

本来なら優しい彼女もつまらない軽口でちゃっかりと逃げようとした雷に御立腹の様だ。

「ひぃぃ!?ごめんなさい。ごめんなさい。京子様!!調子に乗ってました。ごめんなさい。」

…物凄い卑屈っぷりである。

「…まあ、いいわ。分かれば…それより仕事よ。昼に私の店に来て。」

あきれた感が声に出ている京子が言うと、

「えぇぇ〜、俺今日オフの日なんだけど…。」

「ホントに殺されたいのかしらね?」

「いえ、謹んで御受け致します。では一時に。」…ガチャッ。

悲しいほど即答だった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ