短歌集④
<短歌>
〜みかんジャム〜
皮を取り
鍋で煮詰めて
ぐつぐつと
オレンジ色の
宝石できた
〜ハンサムな防空壕〜
こっちより
あっちにハンサム
乗り換えて
防空壕へ
駆ける祖母かな
〜ハンサムな人〜
葬式で
ハンサムな人
現れて
無言で語る
祖母恋模様
〜いちじく〜
ばあばん家
いちじくの木は
ワクワクを
届けて魅せて
廃れぬ記憶
〜自由に〜
泣かぬなら
それも良かろう
ホトトギス
自由に生きよ
風吹くままに
〜シャクナゲ〜
シャクナゲが
街を飾るよ
彩り添えて
夏の花咲く
あの向こうまで
〜52ヘルツのクジラ〜
クジラ鳴く
届かぬ声よ
切なくて
52ヘルツ
眠りを誘う
〜イルカショー〜
イルカたち
青い翼で
海を飛ぶ
水しぶき浴び
客喜ぶ
〜来世の夢〜
来世では
旦那オタクに
なりたいと
生涯尽くし
愛し抜きたい
〜ひだまり〜
夏風が
ひだまりの中
熱帯びて
匂い運ぶよ
風蹴る早さ
〜竹と鶯〜
寺の門
吹き抜ける風
邪気を飛ばし
竹と鶯
静寂の中
〜綿あめ〜
綿あめの
甘い匂いに
誘われて
思い出運ぶ
遠い夏の日
〜豆柴とワンピース〜
揺りかごを
求め豆柴
ワンピース
膝上眠る
尊い命
〜無情〜
焼け野原
つんざく声よ
断末魔
鮮血拭う
手は枯れ尾花
〜長ネギと〜
長ネギと
買い物袋
持つ人の
それぞれ家に
物語あり
〜共依存〜
共依存
死ぬまで一生
二人きり
君さえいれば
回るよ世界
〜日常〜
おはようの
キスで始まり
ハグをして
ただいま求め
玄関駆ける
〜チョコレート事件〜
チョコレート
甘い誘惑
捕らわれて
奪った彼を
血に染め眠る
〜エンジェルは・・・〜
行きつけの
名前も知らない
彼の声
尊き日々を
感謝よ届け
〜閃光〜
夏花火
恋は幻
月明かり
さよなら胸に
尊き人よ
〜推しが為〜
夏の夕
推しの微笑み
輝いて
両手を胸に
涙は頬に