《±3.3Vの恋：回路オタクが恋した電圧差の話》

電圧に恋した少年は、まだ“帰還”という名の感情を知らなかった——。

オタク気質な高校生・相馬トオルは、放課後の電子工作部でひっそり回路を愛でる日々。
他人との接続（コネクション）には無頓着だった彼の“心の入力回路”に、突如として届いたひとつの信号。

それは、転校生・楠木アマネ。
一瞬でトオルの回路図を読み解き、欠点を言い当てるその瞳は、まるでオシロスコープ。
静かで冷静。でも、その奥には情熱的なアナログの揺らぎがあった。

“感情を電圧で語るふたり”が出会い、ぶつかり、共振していく日々。
文化祭プロジェクトを通じて、一緒に組み上げるのはLEDの点滅回路か、それとも——

これは、±3.3Vの世界で芽生えた、
帰還型アナログ・ラブストーリー。