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白い世界
……ここは?
緋色の周りは一面の白い空間だった。ただ、ただ白い。ただ、それだけの世界。
……この感覚、知ってる。
そう、緋色は知っていた。これは魔法少女に変身する時の、あの空間だ。でも。
……なんだろう? 何か違う。
私が、私だけが、光に溶けていくような、あの変身の感覚じゃない。だから、緋色は光に溶け込めずにいた。
白い光の中で、ただ白く光っている少女。それが、今の緋色だった。
気付くと、そんな白く光っている少女へ、背中からぎゅっと絡みついてくる腕があった。突然のことだったのに、不思議と嫌な感じはしない。それは、青い光を放つ細い腕だった。振り向かなくても、緋色には判る。これは絵里香だ。
青い腕が、緋色を慈しむように抱きしめる。緋色も、その腕を大事に、大事に抱きしめる。
ぎゅっと、ぎゅーっと。
それはまるで、これが最後の抱擁であるかのようで。
どのくらい抱きしめていたのだろう。とっても長い時間だったようにも、ほんの数刹那だったようにも思える。でも。
そんな優しい抱擁も、いつしか終わる時がくる。
――とん。
緋色は突き放された。唐突に。
視界が碧く染まる。一面がとにかく、碧く、碧く、埋まっていく。
そして。
視界が拓けた。これもまた、唐突に。




