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大正妖怪デモクラシー  作者: 一色明
第二章 輪廻
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第十一話

 次の日、僕は再度犬神様の祠を訪れた。


 珠ちゃんが言っていた様な"何か"が、もしかしたらここには、隠れているのかもしれない。


 そう思い、もう一度調べることにしたのだ。


 祠の後ろには、雑木林が広がっている。

 背の高い木々のせいで、ここだけが昼間だと言うのに薄暗かった。祠を囲む空気は、ひんやりと冷たい。



 僕は、眼鏡を外して、祠の周りをゆっくりと歩いた。



 神経を研ぎ澄ませて、出来る限り気配を探る。

 ここは、どこまでも静かだ。民家から少し離れているためか、人の声すら届かない。



 静寂の中、時折吹く風だけが、葉を騒めかせた。


 

 しかし、どんなに目を凝らしても、耳を澄ませても、何も変化は現れなかった。



「犬神様…。」



 僕の呟きに、答える声はない。

 やはり、ここには何もいないようだ。


 諦めて、もう一度珠ちゃんの所へいってみようか…。


 そう思った時だった。




 不意に背後に気配を感じた。




 その瞬間、悍ましい血の匂いと、何かが腐り落ちているかのような悪臭が鼻をつく。



 これは…、人間の匂いじゃない。



 そう認識した途端に、額から汗が吹き出した。

 振り返ろうとするが、体が恐怖に震えて動かない。


 動け!動け!


 強く念じ、一歩足を踏み出した時だった。



「あなた…、もしかして猫吉さん?」



 穏やかな、老女の声だった。

 その声に導かれて振り返ると、着物姿の小柄なお婆さんが佇んでいた。

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