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裁きの炎  作者: 山川海のすけ
8/24

UGN

誤解で殺されそうになった。

「本当にごめんなさい!」


なんでお前が謝るんだよ。


あの後。

黒いトカゲの言葉に、ようやく先生が納得して。

先生が変身を解いて、今に至る。


どうやら彼らは、俺があの事件の犯人であると誤認し(正確には主に先生が。水無月は否定してたそうだ)それの確証を得るため、ワーディング?という能力を使ったんだそうだ。

で、ワーディングされた空間ではオーヴァードしか活動できないので、俺はオーヴァード確定。なので状況的に見てジャームだと判断したと。


なんともムチャクチャな。


水無月が俺にひたすら謝っていて、とんでもない言いがかりをつけてくれた先生は。


「悪かったわ」


ニコッと笑って、土下座した。


……土下座って、暴力の一種なんだっけ。

されたら、許さざるを得ないから。


そんなことを一瞬思ったが、ゴネたい理由も無かったので


「……もう、いいっすよ。殺されなかったわけだし」


そして、その代わり、と続ける。


「スンマセン。気になることを聞いてしまったんで、お詫び代わりに教えてもらえますか?」


俺を襲ってきたときに口にしていた、事件の内容ってやつを。


「オーヴァードって何です?ジャームって?それに、事件の真相は?」




知ってることを教えて欲しい。

それをお詫びの印にと要求した俺は、二人と一匹に町はずれにある雑居ビルに連れていかれた。

前々から、何をやってるのか謎なビルだったけど……


ここ、謎の組織のアジトだったのか。


そこのボロッちいエレベーターに入ると、水無月が出鱈目に各階のボタンを押した。


すると。


「え……ここ一階じゃ……!」


エレベーターが下に向かって動き出したのだ。確か、地下階は無かったハズ。


「ここの地下にあるのよ。この街のUGN支部……」


UGN?なんだそりゃ?

聞こうと思った瞬間、エレベーターが到着する。


ドアが開くと、金属質の通路が目に飛び込んでくる。


「ようこそ……ユニバーサルガーディアンズネットワークへ」


水無月が、笑顔で俺に指し示した。



外はボロっちいけど、ユニバーサルガーディアンズネットワークの支部である地下部分は、結構綺麗だった。

会議室、トレーニングルーム、休憩室、事務室、資料室……色々部屋があった。


案内してもらいながら、俺は疑問を口にする。


「……水無月って、何者なんだよ……?」


「ここのエージェント。私一人しかいないんだけどね」


ここ、田舎だから事件起こらないから、職員の数少ないの、と彼女は言った。

どうも、水無月以外に支部長と称する戦えないオーヴァードの人。たった2人の支部だとか。


水無月、そういや、転校してきたよな……


左遷、させられたのか……


ちょっと、気の毒になった。


何やらかしたんだ?


気にはなったが、さすがにデリカシーが無さすぎるのでやめといた。


「でも、そんな地域なのに、今回みたいな事件が起きちゃって……」


水無月は、そのことに触れるとき。

辛そうな顔をした。


「私ひとりじゃ無理なので、本部に言って増援をお願いしたの」


それが泉先生と黒トカゲさんってことか。


「そういうこと。だから仕事が終わり次第、私たち二人は消えるわ」


泉先生は黒トカゲを肩に乗せたまま、そう口を挟んだ。


情が湧くと辛いから、さっさと終わらせようと思っていたの。

調べて「ファルスハーツとは関係ないな」それが確信できたから。

悪かったわ、そうまた先生は俺に詫びた。


襲ってきたときは恐怖一色だったが、本来の先生は気遣いできて優しい人みたいだった。


「あまり姉さんを恨まないでやって欲しい。実のところ、僕もキミがオーヴァードだった時点で犯人だろうとほぼ確信してて」


だから強く止めなかったんだ、黒トカゲさんはそう言った。


「黒トカゲさんは先生のご兄弟なんですか?」


レネゲイドは動物への感染例も報告されている。確か都市伝説のサイトではそんな話も載ってた。

て、ことは、先生は実は人間じゃ無くてトカゲのオーヴァードなのか?

変身能力を持つ例もあるみたいだし。


「そうだけど?」


黒トカゲさんはそう言って、しばらくしてから。


「あぁ、そういうことか。誤解しないでくれ。僕は人間だから。これは分身みたいなもの。オルクスのシンドロームを持つオーヴァードは、動物を支配して自分の分身にする能力が持てるんだよ」


本来の僕は成人男子だから。

そう黒トカゲさんは言ってきた。

ハンドリングといいます(動物を自分の分身にする能力)

オルクスの定番エフェクトです。

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