異星人の侵攻とその恩恵
それからも北米連合との戦いは続いた。
お決まりの物量作戦ってやつだ・・・度重なる出撃で兵たちの疲弊は限界に近づいていた。
5回目の攻撃が始まった。こちらも限界だろう・・・
「司令っ!緊急事態です!」
「何事か!?」
「はっ!天文台より地球に落下する物体がありとの報告です。」
「地球に落下!?はっ!?まさか!」
もしかしたら恐れていた事が起きたのかもしれない。
「天文台に詳細な報告を!それから監視衛星とのラインを作戦室へ繋げ!」
「了解!」
ついにこの日が来たか・・・
「諸君!遂に彼らがやってきた。」
私の言葉に作戦室に集まった面々が驚きの声を上げる。
「まさか本当に・・・」
「ついに異星人との対面か・・・楽しみだな。」
「エイリアンってどんなのかな?」
「クリーチャーはごめんだが、美女だったら大歓迎だな。」
軽い発言も見られたが、これからの戦いに臆している者は誰もいない・・・いや、いないように見えた。
アフリカ大陸中央部
ここが異星人が初めて侵攻した場所だった。侵攻と言っても戦闘はほぼ無かった。否、戦闘にすらならなかったのだ。
続いて、侵攻されたのが、中東だった。紛争絶えないこの地で、NATO軍が戦闘になり大規模な被害が出た。
そして遂に、太平洋上空に巨大な空中戦艦が現れた。
この戦いは3日続き、被害も出しながらも撃退に成功する事が出来た。
「これが、奴らが使っていた兵器か・・・上層部ではビーキーパーと言っていたが・・・」
形は蜂に似ており、小型の自立する対人兵器を搭載していることから養蜂家と揶揄されている兵器を眺めながらそう呟いた。
今回の戦闘では敵機の鹵獲も狙っていたが、戦闘で破壊された機体しか得られなかった。
だが、それでも得られた情報や技術は多く関係者を狂喜乱舞させた。
そして、それから1年が過ぎ、ようやく一般の兵士用にTSが行き渡った。
TSヴァルドラ
初の地球産TS。遺跡から発見されたコードネーム・タイタンの劣化コピー機体。
TSスナイパー
鹵獲した異星人機のデータを元に開発されたTS。空軍出身のパイロットが多かった為、受け入れやすい戦闘機に手足を取り付けた物。
TSスカイスナイパー
スナイパーを元に人型と戦闘機に変形するTS。操作がし易く量産された。
TSヴァルベスト
今ある技術を全て詰め込んだヴァルドラの上位機種。新しく入手した技術の試験機としての役割もある。