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天使の子

ここは自然豊かなヨセミテにある軍の研究所である。今日、ここで私達は偉業の瞬間を目撃するだろう。

ことの始まりは、10年前に遡る。オーストラリア大陸にある地下遺跡から、劣化の少ない宇宙船が見つかったのだ。しかも、稼働していた区画があったというのだから途轍もない技術が使われていたんだろう。

発見は、それ以外にもあった。未知の動力源やそれを使った巨大な人形ロボット。それらの研究でこの地球の技術レベルは数100年を一気に埋めたと言われる。

そんな発見の中で私にとって一番衝撃的だったのは、何を隠そう仮死状態で機械の中に保存されていた天使の存在だった。

天使。それは聖書に描かれる人類を導く存在。実在しないだろうと言われていた伝説の存在が今、目の前にいる。

でも、私達の、地球の技術では天使を起こすことは出来なかった。

死者として埋葬しようとする人が多かったけど、政府はそれを良しとはしなかった。

実験素材として使うように言われた時には、役人を相手に殺意が湧いてきたわ。


天使の遺体から卵子が発見されると、その殺意もどこかに飛んでいったけどね。


それからは、早かった。卵子を使った実験は一つしか無い。人工授精だ。精子提供者は政治家もいたけど民間人も含めて多種多様の人種から選ばれたわ。


そしてその人工授精は成功した。最初の1人が4月に生まれ、翼がなかったけど特殊な脳波が検出され人類には無い力があるんじゃないかとの話になったわ。

そして今日、生まれるのを合わせて全部で100人。それぞれ、番号を付けられ管理することになったわ。


生まれた。

生まれたときは普通の人間と変わらない姿だ。これから教育と実験の毎日が始まるというのに泣きつかれたのかすやすや眠っている。私も子供が欲しいな・・・



それから3年後


最後の100番目の子供が生まれて3年がたった。

子供たちは仲良く過ごしている。特に番号が近いものと仲が良い様だわ。

それから本格的な実験が始まったわ。

その実験で子供たちが持っている力が、わかってきたわ。

念じることで離れた物を動かす力【サイコキネシス】

物体を取り寄せる力【アポート】

未来を予知する力【プレコグニション】

過去を知る力【サイコメトリー】

子供たち同士で【テレパシー】らしき力があるのでは無いかと言われていたが未確認。


これが天使の力って興奮したし、他の研究者も興奮していた。

でも、軍の人達はそう思わなかったみたい・・・



軍は彼らを無敵の兵士につもりだ。

プロジェクトエンジェルはここでお終いということね・・・

これでようやく私も休暇が取れるかな?

休暇が取れたら本気で彼氏を探さないと・・・


次の日、私はそのまま彼らのメンタルケア要員として休暇もなく働き続けることになるとはその時はまだ知らなかった。



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