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白狼使い  作者: 向日葵
第1章
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7 不機嫌な理由

 




 ギルドの入り口まで連れてきてもらい、門番の人と私とラルトは一緒に中に入った。兵士の人も一緒に行ってギルドの人に事情を話す必要があるらしい。


 最初から説明するのはめんどくさいので助かります。


 今門番の人がギルドの受付の人に話をしてくれているので、イスに座って待つことにしました。


 ちなみにラルトは相変わらず腕の中でむすっとした表情をしています。


 なぜか、門番の人に紹介をした時からラルトの機嫌が悪い。撫でてあげても機嫌が直らない・・・・。


 機嫌が直らないので撫でるのをやめると、それはそれで嫌みたいで、足で服をカリカリとかいて催促してくる。


 このままだと理由がわからない上に、また私が撫でまわしてしまってさらに機嫌が悪くなるかも。


(ゆきはラルトの撫でろという催促が可愛くて仕方ないらしい。・・・もふバカだな。)


『どうしたのラルト。機嫌悪いみたいだけどそんなに子狼に間違われるの嫌だった?』


 私はラルトを撫でながら心の中でラルトに言ってみた。念話を意識したつもりだけどラルトに聞こえてるかな?


 するとラルトは顔をあげて驚いた表情でこっちを見た。


『主、魔法の使い方もまだ練習してないのに念話使えるんですか!?』


『よかった。成功したみたいだね。なんとなくラルトに伝われって思って心の中でしゃべったら成功したよ?』


『・・・・。普通はそれだけでは成功しないんですけどね。主は魔法の才能があるようですね。さすが私の主です。』


 先程まで機嫌が悪かったのに今は尻尾を振りながら嬉しそうにしている。ラルトにそう言ってもらえるとすごくうれしいね。今なら機嫌が悪かった理由聞いても大丈夫そうかも。


『そう言えばなんで機嫌悪かったの?』


 理由を聞いてみると、また機嫌が悪くなってしまった。・・・あれ?


『だってあの人間。僕のことを魔物と一緒にした上に、主と離そうと考えてた。僕がこの大きさだから一緒にいれてるけど。それに子供じゃない、僕は主のために小さくなってるんだもん。(抱っこしてもらいたいのもあるけど)』


(ゆきに子狼サイズになってもらい可愛がってもらえることは嬉しいみたいだがゆき以外に子狼扱いされるのは許せないらしい。)


 気づいてないみたいだけど、ラルトの言葉が敬語から普通の喋り方になってる。でもこれが普段の喋り方なんだろうし、これからはこの話し方で話してもらおう。その方がうれしいし。


 しかし、・・・・うーん。これはなんといって、機嫌を取るべきだろう。


 白狼としてのプライドの部分についてはラルトの言っていることが正しいかなという思いと、幻の神獣の白狼が目の前にいるなんて普通思わないだろうしなぁ。とも思うんだよね。


 私と離されそうになった事については、人間が決めたルールだからそれをラルトに押し付けるのはどうかと思うけど、問題はそんなことより、私と離れたくなかったって言う考えでいいのかな?


 可愛すぎるね。この件については思いっきり可愛がってあげよう。


(自分が撫でまわしたいだけだろ!!)


 そして子供に間違われたのも嫌だったのね。


『うまくどういってあげたらいいのかわからないけど、ラルトは神獣だから人間にとってはきっと神話の中の登場人物なんだよ。だからきっとこれからもこういうことはあると思うんだ、ごめんね。私も、ラルトと離されてたら怒ってると思う。あと子供と間違われたのは私のせいだね。これからは子狼の大きさになってほしいとはもう言わないから機嫌直して?』


『・・・・確かに神獣の僕が人前に出たことって滅多にないからわからないのも仕方ないのか。それと主が怒ってくれるって言ってくれてうれしい!! あと、子狼と間違われたのは嫌だけどこれからもこの姿になるよ?主が喜んでくれると嬉しいもん。(抱っこしてもらえなくなるし)』


『そうなんだ。じゃぁこれからも子狼の姿になってほしいかな。あと話し方今の方がいいからこれからはその話し方でいいからね。』


 そういうとラルトは、自分の話し方が変わっていることに言われて気付いたように目を丸くした。


『ほんとにいいの?仲間に昔、この話し方は威厳がなくて白狼らしくないって言われたんだけど。』


 ラルトはそう言って尻尾を垂れ下げた。そんな理由があったとは。


『その話し方をしてくれると私は嬉しいな。(威厳がある話し方よりも可愛いほうがいいよ)』


 そういうとラルトは尻尾を振り、顔を舐めてきた。


 なんて可愛いのでしょう。


 ・

 ・

 ・


 ラルトとユキの会話はほかの人にはわからないため、他の人から見ると目が合っているだけなのに、使い魔の方が喜んだり、悲しんだりしているという変わった風景に見えていることでしょう。










いかがでしょうか。今回はラルトとユキのそれぞれ心に思っている本音を入れてみました。

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