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白狼使い  作者: 向日葵
第1章
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6  異世界で初めての街

 




 森を出てからしばらくすると道がある所に出た。


「やっと人が居そうな場所に出たね。」


『はい。大変でしたね。』


 ラルトの言うとおりで森を出てから道に出るまで凄く大変だった。


 森を出てからすぐに草むらになったんだけどこの草むらを通り抜けるのがとにかく大変。


 距離としては50mぐらいしかないはずなんだけど、草むらの草の高さが160cmほどあって私が歩くと視界が悪いという事でラルトに大きくなってもらってラルトに乗って草むらに入ったまでは良かったんだけど・・・。


 ひっつき虫のような植物が多くてラルトの毛にいっぱい引っ付くし、棘のある植物がいっぱいあってそれがラルトの肉球に刺さるし。


 お陰で1度森の方に戻って棘を抜いたり毛についてるものを取ったりしたんだけど、ラルトに大きくなってもらってたから取る量がすごくて1時間は掛かったと思う。


 そのあとはラルトには子狼のサイズになってもらい、私がラルトを抱っこして森を抜けることになったんだよね。


 草の高さが高いから方向が分かりにくいし、棘が足元にあって刺さることは無かったけどチクチクあたって痛いし、服に植物はつくしでとにかく大変だった。


「誰か草をかるべきだと思うね。」


『そう言えばその手がありましたね。主は風属性を持っていらっしゃるのでは?』


 ・・・・・・・・・。


「確かに!誰かが、じゃなくて私がすれば良かったね。魔法が使えることに慣れてないから忘れてたわ。」


 そう言うとラルトに残念そうな顔で見られた。


 だって仕方ないよね!地球にいた頃は魔法なんていう便利な力無かったし、まだ使ってないし。


(開き直ったゆきでした。)


 過ぎてしまったことはどうしようもないから今度同じようなことがあった時に気を付けたらいいよね。


(気持ちの切り替えが早い。)


 話が変わるけどラルトって今子狼サイズだから会話するにしても、こっちを見るにしてもこっちを見上げてることになるんだけどこれがまた可愛い。


 自然とそうなっているのは分かるんだけどかわいいよね。


 ラルト自身はそのことにあまり気にしていないようなので、このまま街まで行こう。


 どっちに街があるのか調べると道を西に向かうと街があると分かったので街を目指して西に歩いていると遠くに城壁のようなものが見えてきた。


 遠くから見ても大きかったが近くで見ると凄く大きな門が目の前にある。


 でも王都でもないはずなんだけどどうしてこんなに城壁が頑丈な造りになっているんだろう。


 門番の兵士に聞いてみようかな。でも聞いたら怪しまれるかも?


 悩んだ末に聞いてみることにした。怪しまれるような恰好ではないだろうし、田舎から出てきたと言えば何とかなりそう。


「すみません。この城壁ってどうしてこんなに頑丈に造られているんですか。」


「うん?あんた知らないのか?」


「はい。なんせ田舎から最近出てきたばかりなのでこんな大きな街初めてなんです。」


「そうなのか。ここは深い魔の森の近くにあるから、ギルドや冒険家にとって王都に続く第二の都なんだ。だから街は大きく人や物が多く集まる。それに深い魔の森からたまに魔物が現れるからな。魔物が襲ってきても街の中に入れないように作られているんだ。」


 門番の人は親切に教えてくれた。そっか、そういえばあのラルトが倒した魔物も深い魔の森にしか生息しないって特徴にあったな。


 っていうことはあの一体以外遇わなかったことの方が奇跡に近くて、普段は魔物がうようよしている場所にあの神は私たちを転送したわけか。


 私がラルトを相棒に願ったからよかったものの願わなかったら危なかったっていうことだよね。今度神様にあったら一発殴ってやる。


 ・

 ・

 ・

 -神side-


 ブルブル・・・何でしょういきなり悪寒が。


 ・

 ・

 ・

「通行証を見せてくれるか?」


「あの通行証を発行しにこの街に来たので通行証持ってないです。」


「そういえば田舎から来たと言っていたもんな。じゃぁこの手形をもってギルドに行って今日中に身分証明書を作ってきてくれ。それが通行証になるから。」


 手形を渡そうとしていた門番の人は腕の中にいるラルトを見て首を傾げた。


「あんたその腕に抱いているのは魔物・・・いや使い魔か?」


「はい。使い魔のラルトと言います。」


 ラルトを紹介するとラルトはツンっと横を向いてしまった。・・・あれ?


「じゃぁ。俺も一緒に行くからついてきてくれ。使い魔は身分証明書がないと街に入れられないんだ。普段は使い魔を外で待たせてから本人だけ身分証明書を作ってもらうんだが、その大きさだとまだ子供だろう?だから今回は特別だ。」


「ありがとうございます。」


 そう言って、私とラルトをギルドまで案内してくれた。


 だけどラルトは子供と言われとても機嫌が悪いです。そしてこの門番の人、人が良すぎて悪い人に騙されないか心配になるな。


 よし、いよいよギルドだね。








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