28 緊急事態には助っ人を!
ダルトside
今俺は自分の部屋(ギルドマスター室)にいる闇帝を目指して、階段を2段飛ばしで上がっている。
こんなにも慌てて階段を上ったのは、久しぶりだ。
ドアを急いで開けると、目的の闇帝が呑気にお茶を飲んでいる・・・
少しイラッとしたが、今は苛ついている暇はない。
闇帝を連れていくために近づくと、
「ドアはゆっくり開けろ。お茶にほこりが入ったらどうする。」
そう言いながら、こちらを向いてきた。
「呑気にお茶なんかを飲んでる場合か!いいから早く来い!ユキがまたやらかした。」
俺は闇帝の言葉を流し、一緒にしたに来るように伝えた。
・・・・もちろん理由を説明して。なんで説明が必要かって?
基本的に闇帝はお茶等をしているときは、よほどのことがない限りその時間を優先する。
だから、今は緊急事態であることを伝える必要がある。
闇帝は手に持っていたカップを机の上に置くと、こっちに顔を向けた。
「今度は何をやらかしたんだ?」
「屋台で買い物をするためだけに白金貨1枚を現金にして、それ以外は貯金だそうだ。」
俺はユキがやらかしたことの内容の一部を簡単に説明した。
詳しく話している暇がないというのもあるが、闇帝に逃げられたら困る。
こいつはめんどくさがりなところがあるからなぁ。
っあ・・・・でも今の内容だけでも大変なことってわかるよな・・・。
逃げられたらどうするかな・・・・。
闇帝を説得するための言葉を考えようとしていたが、その必要はなかったようだ。
「・・・・・・。とりあえず、ユキのところに向かうぞ。」
「っえ?一緒に来てくれるのか?」
あまりにもあっさりとOKの返事をもらえたために、俺はついつい聞き返してしまった。
すると、ため息をつきながら闇帝に言われた。
「はぁ・・・。お前だけじゃ対処しきれないから俺を呼びに来たんだろ?」
いや・・・たしかにそうだけど、お前いつもめんどくさいことになるといなくなるじゃん・・・。
だから驚いてるんじゃんかよ!
言い返してやりたいが、言い返して逃げられたら困るので、グッと耐えた。
俺は大人だからな!
(闇帝が逃げるのは、ダルトでも対処できる内容というのと自分以外に面倒を見る人間がいる場合のみである。)
「行くぞ!ユキは下か?」
「おう!」
闇帝の言葉に俺は、返事をしながらユキのとことに向かった。
お持たせいたしました。
今回は短めでしたが、いかがでしたでしょうか。
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