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白狼使い  作者: 向日葵
第1章
26/35

25 カバンのことがばれた!?






・・・・・売る分の薬草を全部出したから買取を受付の人にお願いしたんだけど、さっきから笑顔のままなんだよね。


小さい声でお願いしたつもりはないんだけど、もしかして聞こえなかったのかな?


『・・・主、なんかこの人間こわいよ。笑顔のまま表情が変わらないし、まばたきもしてない。』


『っえ、まばたきもしてないの!?どうしたんだろう・・・。もう一回、声を掛けてみて反応がなかったらアイリーさんに助けて貰おう。』


ラルトがまばたきをしていないと言ったので、受付の人を眺めてみると確かにまばたきしていなかった。


これは確かにちょっと怖いね。


今気づいた私でも怖いなって感じるんだから、ラルトはもっと怖いよね。


それにしても、目乾かないのかな?まばたきしないと目が乾いて開けていられなくなると思うんだけど・・・


「あの~、すみません。買取をお願いします!」


「・・・お待たせして申し訳ありません。直ぐに鑑定しますので少々お待ちください。」


大きめな声でもう一度話しかけてみたら、今度はちゃんと反応してくれた。


鑑定って、目の前でしてくれるんだなぁ。これなら早く買取終わりそうだし、ゆっくり宿を探せるかな。


相変わらずマイペースなユキは今日泊まる宿について考えていた。


しかし、リーリエはそれどころではない。薬草を鑑定するたびに気が遠くなりそうな思いで目の前の薬草を鑑定している。


理由は、鑑定結果が異常なためである。


見た目から大体の薬草の種類は見当がついていたので、後は鑑定して品質を見れば終わりだと考えていたが・・・


品質がすごくいい物ばかりで、中には品質Sランクのものまで入っていた。


この世界の物の品質は、S・A・B・C・D・Eランクという6段階に分けられる。


品質は時間がたつと悪くなることが多く、特に薬草などは採取の仕方や時間によって品質が変わる。


また、あまりにも品質が悪いと鑑定しなくても見た目で悪さがわかる。


駆け出しの冒険者は、薬草の採取の方法などを知らないことが多いため、ランクの低い物を持ってくることが多く見た目で判断できてしまうものも少なくない状況である。


しかし、新人のユキが出した薬草はどれも新鮮そうなものが多く品質が悪くないのは一目瞭然だった。


リーリエはそのことに関して感心したが驚きはしなかった。


偶に採取方法や鮮度を保つ方法を知っている新人がいるので、買取の受付をしていればそういった場面に居合わせることがあるからである。


なので、リーリエは薬草の品質はBランクくらいだろうと考えていたが・・・


実際に鑑定して見ると全てAランク以上のものだった。


予想していた結果よりもはるか斜め上の結果が出て、リーリエは聞かずには居られなかった。


この品質(鮮度)を保っているであろう物の名前を。


「・・・・鑑定はすべて完了しました。あの、一つ伺いたいことがあるのですが。」


「?もしかして、薬草よくなかったですか?」


鑑定の作業が終わるのをずっと眺めながら待っていたユキは、鑑定を終えてすぐに聞きたいことがあると聞いて、もしや売れないんだろうかと心配した。


「いえ、どの薬草もとても素晴らしい物ですし、買い取らせていただきますが・・・薬草を出されたカバンは、もしや魔法カバンではありませんか?」


「売れるんですね、よかった・・・・・うん?・・・マホウカバン?・・・!!!?」


無事買い取ってもらえると聞いて一安心したが、そのあと続いた言葉にユキは驚きを隠せなかった。


なぜなら、カバンのことを隠すために薬草を選んだのにばれてしまっているからである。


なんでばれたの!!!!?


リーリエがまばたきせずにいることが怖いと思っていたことは、この衝撃ですっかりと飛んでしまっていた。







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