22 見習いとしての仕事とランク
ダルトさんも現実世界に戻ってきたので、改めて見習いとしての仕事について説明を受けることになった。
「・・・ごほん。それでは、ユキの見習いとしての仕事の内容について説明するぞ。」
「お願いします。」
私は膝に乗っているラルトを撫でながら、頭を下げた。
ちなみに闇帝はダルトの隣には座らず、なぜかユキの隣に座っている。
なんで横に闇帝が座ってるんだろう?
別に嫌ではないけど、闇帝は説明する側なのでは?説明を聞くのは私だけだから、この座ってる位置おかしいよね。
ユキは闇帝が横に座っている理由が気になったが、その理由を聞いても「特に理由はない」と言われそうだなっと思ったので、黙っておくことにした。
なぜ闇帝がダルトの横に座っていないかというと、何となく説明の中でダルトにラルトが攻撃しそうだと感じたためである。
ダルトの横に座っていて、もしダルトに攻撃が来たら横に座っている自分にまで被害が及びそうだと予想したので、被害を受けないユキの隣に座ったのであった。
この闇帝の予想は、見事に当たる・・・・・。
「ユキにはまずギルドランクF.E.D.C.B.A.SのうちのCを与える。ギルドで働くためには最低Bランクは必要だが、ユキは今回見習いという立場になるからCランクで大丈夫だろう。いずれはBランクへの昇格試験を受けてもらうことになるとは思うが、ひとまずはCランクから始める。」
なるほど、っと思っていたところに闇帝からいきなり爆弾を投げられた。
「ちなみに新規登録でCランクから始める人はめったにいないから、身の安全のためにも必要な時以外は黙っていたほうがいい。」
それを聞いてダルトさんのほうを慌ててみると、ダルトさんは困った顔をしていた。
「・・・・・し、しかたないだろう。ギルドで働くには最低Bランクが必要だが、ユキをいきなりBランクにするのは怖いし、だからと言ってFやDランクにとどまれる実力じゃないし、そうなるとCランクが無難なんだ。・・・まぁ、言いふらさなければ大丈夫だろう!」
ダルトさんの説明を聞いて、Cランクの理由は理解したけど、その大丈夫という自信はどこから来るんだろう?それに若干笑顔が引きつってるし・・・・心配だなぁ。
それから、見習いとして仕事の内容を詳しく聞いた。
当面は、ギルドがどういう場所で冒険者がどんな活動をしているのかを知ることが仕事だと言われた。
確かに、私はギルドで出来ることや冒険者の活動の内容を詳しく知らない。知っているのは、前の世界で読んだ小説の知識とここにきて説明を受けた内容だけ。
そもそも前の世界で得た知識がこの世界の常識と合うかどうかもわからないので、何も知らないと言い切っても過言ではないため、まず情報収集が必要だとは考えていた。
なので、しっかりと情報を集めることができる状況下に自分が置いてもらえることにほっとした。
一応ギルド員の見習いということになっているので、勉強や訓練をしながら、ギルドの仕事もお手伝いすることになった。
仕事の手伝いをすることでギルドと冒険者について学べるだろうとのことだった。
「仕事の説明は以上になるが、何か気になることはあるか?」
「特にないです。」
「それじゃ、明日からとりあえず働いてみるか?」
「よろしくお願いします。」
っというわけで私は、明日からギルドで働きながらこの世界について学ぼうと思います。
そういえば、今日の泊まる場所考えてなかった。
・・・・・・・・・・どうしよう?
(相変わらず、どこか抜けているユキだった。)